広島・新井監督の家族愛 61人大集結 1軍に2軍野手キタ~「全員戦力」に選手発奮

 実戦守備の練習後に1、2軍の選手が円陣を組む(撮影・田中太一)
 満足げな表情の新井監督
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 「広島春季キャンプ」(9日、日南)

 広島・新井貴浩監督(46)がキャンプ第2クール最終日となった9日、独自色を打ち出した。午前中の練習に、同じ日南市でキャンプを張る大半の2軍野手が参加。首脳陣を含め1、2軍総勢61人が天福球場に集結してノックなどを行った。指揮官は改めて全員が戦力と強調し、“新井流”のキャンプを展開しながらチームの底上げを図っていく。

 スタンドではなく、グラウンドが真っ赤に染まっていた。一塁ベンチ前付近が、ビジターユニホームの選手たちであふれかえる。1軍選手35人、2軍選手12人、首脳陣14人の総勢61人が大集結。活気ある声とともに、午前中の天福球場は“新井色”に彩られた。指揮官は「1軍が練習しているグラウンドで、1軍の雰囲気を体感してほしい狙いがある」と意図を説明した。

 午前中の練習。2軍から松山、会沢のベテラン勢を除いた、12人の野手が1軍キャンプメンバーとシートノックを行った。その後は守備側と走者側に分かれ、ゲーム形式のノック。練習メニューが異なった一部の1軍投手陣以外、大半の選手が同じ場所で白球を追いかけた。

 これまでのキャンプにはなかった、新鮮な光景。それは新井監督の思いから広がった。「全員、戦力だと思っている。シーズンは長い。全員で長いシーズンを戦っていこうという気持ち」と改めて強調。1軍と2軍は単なる枠であって、そこに境界線はない。監督就任以降、繰り返す言葉をキャンプ地で体現する一幕となった。

 新体制ならではの計らいは、選手にも響いた。キャンプ2軍スタートのドラフト2位・内田(利根商)はノックでサードに入り「いろんな人に助言をもらった。ファンの方も多く、早くこういうところでプレーしたい」と誓いを新たにした。

 2軍メンバーは午後、天福球場から車で約15分の東光寺球場で練習。そこに指揮官は藤井ヘッドコーチと足を運び、各選手の打撃練習に目を凝らした。初の2軍視察は、当初の予定にはなくこの日に決めた動き。「みんな体が大きくなっているし、(バットの)振りも強かった。オフシーズン、しっかり練習してきたんだと感じた」と笑顔で明かした。

 常々、チームを“家族”と形容する新井監督。「レギュラーの選手、1軍の選手と一緒にやることで、何か刺激になってくれれば。『自分もここでやるんだ』と思ってくれたら、なおいい」。誰一人として欠けてはならない。若い芽の発奮も促しながら、頂点を目指す。

 ◆新井監督の“家族”一丸メモ

 ▽22年11月14日 秋季キャンプに合流すると、全体練習前の円陣で「君たちが思っているより、君たちみんなに期待している。好き嫌いで起用しない。みんなで日本一になりたい」と訓示。

 ▽23年1月31日 キャンプ前日ミーティングで今季ベンチ前の整列を敗戦時も行うとナインに伝達。「(ファンも含めて)カープのみんなを“家族”と表現する」と説明。

 ▽2月1日 キャンプ初日から外国人と積極的にコミュニケーション。自らノックを打つ可能性も示唆し「鍛えてあげたいという気持ちはある」と、身を粉にする構え。

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