カープ森 恩師の眼前で届けたプロ初勝利 来春1軍C内定!目指す鳥取の星

 デイリースポーツ記者の心に残った試合、場面などを振り返るオフ企画『一投一打』。広島担当の向亮祐記者は、新人の森翔平投手がプロ初先発初勝利を挙げた9月7日の中日戦を取り上げた。

 重圧のかかるマウンドで、大きな一歩を踏み出した。森がプロ初先発で5回3安打1失点。すると味方が直後の六回に勝ち越し、勝利の女神がほほ笑んだ。

 立ち上がりは先頭の岡林に四球。暴投で無死二塁とされ、大島に右翼線適時打を浴びてあっさり先制された。続くピンチでビシエドとA・マルティネスを空振り三振。土俵際で踏みとどまった。最速146キロの直球に緩い変化球を交えて最少失点。「小手先で勝負してしまうので、ぶつかっていけるように」。荒々しくガムシャラに相手に挑んだ姿勢が奏功した。

 チームはこの時期、逆転CS進出を目指して負けられない戦いを続けていた。そんな中、節目の登板を現地で見届けたのが母校・鳥取商の渡辺達郎監督(51)。試合当日に名古屋まで足を運び「気になってしまって、間近で見たいなと。静かに見守りたい」。教え子の姿を目に焼き付けたい気持ちが、ひしひしと伝わってきた。

 渡辺監督は森の負けん気の強さに驚かされたことがあった。高3春の県大会決勝、米子西戦。2番手で五回から登板して11回を投げたが、終盤に失点。試合は延長十五回引き分け再試合となった。再試合は2日後。左腕は「どうしても投げさせてほしい」と先発を直訴した。そして再試合では9回完封。チームを中国大会進出へ導いた。

 プロ初勝利を挙げた後、同監督から連絡をもらった。「『来て良かった』と言ってもらいました。内容はあまり良くなかったけど、勝つことができた。しっかり来年につなげられたら」

 秋季キャンプでもアピールし、来春キャンプ1軍スタートが内定した。「“鳥取の星”になってほしい」とエールを送る渡辺監督。その言葉通り、来季はさらに頼もしい活躍を見せてくれるはずだ。

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