カープ新井監督「みんなで日本一に」 秋季C合流“新井色”訓示で真っすぐな思い
「広島秋季キャンプ」(14日、日南)
広島の新井貴浩新監督(45)が14日、秋季キャンプに合流し、全体練習前の円陣で「君たちが思っているより、君たちみんなに期待している。絶対に好き嫌いで起用しない。みんなで日本一になりたい」と“新井色”にあふれた訓示をした。午後からは紅白戦を実施。ナインと過ごした初日を「大満足」と表現し、満点のスタートを切った。
日南の空は、新指揮官の初陣を歓迎するように青く澄んでいた。新井新監督は午前9時1分に球場入り。同15分過ぎにグラウンドに姿を見せると、選手、首脳陣、スタッフ全員を集めた。「自分の気持ちを素直に伝えたかった」。就任後初のあいさつ。真っすぐな思いを真剣なまなざしでぶつけた。
約5分間の訓示では2点を強調。「言いたいことは二つある。まず一つ目は、君たちが思っているより、俺は君たちみんなに期待している。二つ目は、絶対に俺は好き嫌いで起用しない。嫌いな人が1人もおらんから。カープという大きな家の中で君たちがいるから家族同然。みんなで切磋琢磨(せっさたくま)して頑張ろうという考えだから」と訴えかけた。
現役中も、現役引退後も、カープを「家族」と表現してきた。愛するチームを預かる者として、根幹をなす気持ちを言葉にしたかった。堂林、野間、中崎ら、自身と現役時代が重なった中堅選手もいる。だが、若手中心の今キャンプでは初対面の若鯉が多い。
だからこそ、あえて心の内を明かした。「やっぱり、一緒にやったことのない子の方が多い。『自分はこういうふうに考えているよ、君たちが思っているより、俺は期待しているぞ』と」。そして訓示の締めには「みんなで強くなって、みんなで優勝する。みんなで日本一になりたい」と来季の最高のエンディングを思い描いた。
午前中はブルペンに足を運んで投手陣の状態を確認し、午後からは紅白戦を本塁後方からチェックした。「結果等はあまり見ていない。どのような考えで打席に立っているか、どのような考えで打者と対峙(たいじ)しているのか。そういうところを見ている」。目には見えにくい部分を重視し、ハツラツと動く選手に視線を送った。
自身の初日を終えて「100点です。みんな元気そうで一生懸命やっていたので、満足です。大満足の初日ですね」と新井新監督。「家族」の成長を肌で感じられる秋が、笑顔とともに幕を開けた。