広島Wショック 秋山抹消に逆転負け 村上にヤられすぎ今季12被弾、5連敗5位転落

 「ヤクルト5-4広島」(23日、神宮球場)

 広島は逆転負けで今季3度目の5連敗となり、15日以来の5位に転落した。2点リードの六回に3番手・島内颯太郎投手(25)が、村上に痛恨の逆転3ランを被弾。相手の4番にはチーム別で最多の12本目となる一発を献上した。試合前には秋山翔吾外野手(34)の戦線離脱が決定。借金も今季最多の7に膨らんだ中、負の流れを止める勝利がほしい。

 屈辱が、ただただ上塗りされていく。球場の左半分から悲鳴がこだました。大きく盛り上がる敵地の熱気とは対照的に、肩を落としたカープナイン。相手の主砲に浴びた一撃で、序盤の流れが完全に消え去った。痛恨の逆転負けで今季3度目の5連敗。5位に転落した河田監督代行は「きょうは相手が上だった」と振り返った。

 2点リードの六回に悲劇が待っていた。2番手・ケムナが1死一、二塁のピンチを招くと、ここでベンチは島内を送り出した。しかし1ストライクからの2球目、内角高め153キロを完璧に捉えられた打球は右翼スタンドに突き刺さった。

 島内は「もっと厳しく投げないといけなかった。カウントが有利だった分、勝負を急ぎ過ぎてしまった。あの場面で(本塁打は)一番打たれてはいけない」と唇をかみながら悔しさをにじませた。

 これでチームとして村上に献上した本塁打は12本目。リーグでは最も多く、投手陣にとってはまさに天敵だ。要所で被弾して勝負を決められる“魔のシーン”が繰り返されている。

 左腕を投入して村上を封じる策も考えられたが、河田監督代行は投手コーチからの推薦があったと明かしつつ「真っ向勝負にいった中でやられた。次やり返す気持ちを忘れないでいてほしい」と奮起を促した。島内も「チームを救えるような投球をしたい」とリベンジに燃える。

 初回にマクブルームの14号先制3ランで幸先良く主導権を握った一戦。カウント3ボールからの一発に本人は「自分の気持ちを抑えながら、ゾーンに入ってきたところを振り抜いた」と振り返った。しかし、主砲の躍動も勝利に直結しない事実がもどかしい。

 試合前には、敗戦のショックを増幅させる事態も発生。秋山が発熱を訴え「特例2022」で出場選手登録を抹消された。PCR検査は陰性ながら、今カード中の復帰は厳しいとみられる。「投手も頑張ってくれているしね。とにかく、しのぐしかない」と河田監督代行。全員で、まずは負の連鎖を止める。

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