カープ秋山 千金同点2ラン2位浮上 初猛打賞4安打でヤクルト戦の連敗9でストップ

 「ヤクルト2-5広島」(22日、神宮球場)

 広島の秋山翔吾外野手(34)が、1本塁打を含む広島加入後初の4安打で勝利に貢献した。六回までの3打席で3安打を記録し、八回に同点の2号2ランを放った。チームは九回、小園が5号決勝ソロ弾を放つなど、今季の神宮初勝利でヤクルト戦の連敗を9でストップ。6月27日以来の勝率5割に復帰して、2位に浮上した。

 神宮の夜空に描いた放物線に誰もが酔いしれた。五回終了後に打ち上げられた花火に勝るとも劣らない、美しさがあった。立役者は秋山だ。劣勢を一振りではねのけ、チームに勇気を与える2号2ランを放ってみせた。

 「本塁打になるようなイメージはしてなかったけど、しっかり振り負けないというか、甘いところに来たら、しっかり振ろうというのは、ちょっと頭にありました」

 0-2の八回2死一塁だ。梅野の5球目、高めのチェンジアップを完ぺきに捉えた。白球は長い滞空時間を経て右翼席へ。ダイヤモンドを一周すると、ベンチ前でナインと力強く拳を合わせた。

 「4球目のチェンジアップの見逃し方が、自分としてはすごく良かった。もう1回(イメージとして)真っすぐに丁寧に入った。あれはもう反射的に手が出たというか」

 ヤクルトが見せたわずかな隙。それを見逃さず、流れを呼び込んだ打撃にすごみがある。2死から村上が菊池涼の打球を失策。同点2ランはその直後だ。

 佐々岡監督は「相手の失策からというところ。大きかった。あの一発で同点になりベンチのムードが上がった」と目尻を下げた。

 同点弾を含め、この日は日本球界復帰後、初めての4安打で、NPB通算129度目の猛打賞を記録した。

 「何の要素でも安打が付くのは、打者にとって薬」。初回、一塁内野安打で出塁すると四回は左前打。六回は中前へ運んだ。この試合まで2試合無安打。初回にともした「H」のランプに「全力で走っておいて良かった」と表情を崩した。

 希代のヒットメーカーはチームに欠かせない存在だ。安打はもちろん、野球への取り組み方などで好影響をもたらしている。「本当に練習をするし、考えながら取り組んでいる姿勢は本当に若手の見本。ベンチで声を出して一丸というのも見える」。指揮官は最敬礼した。

 ヤクルト戦の連敗を9で止めて、借金生活に終止符を打ち2位に浮上。勝率5割以上での前半戦ターンが見えてきた。背番号「9」がチームに大きな推進力をもたらした。

 ◆秋山の1試合4安打 NPBでは西武時代の2019年6月4日・広島戦(メットライフ)以来。西武在籍時のヤクルト戦は通算121打数45安打3本塁打16打点、打率.372と対戦11球団でもっとも高打率だった。

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