秋山 広島入り決断 三つ巴争奪戦で射止めた 5割復帰のチームに追い風

 NPB通算1405安打を記録した秋山翔吾外野手(34)が広島入りを決めたことが26日、分かった。きょうにも広島球団から正式発表される。パドレス傘下3A・エルパソを米国時間16日に自由契約となり、古巣・西武、ソフトバンクも獲得に名乗りを挙げる中、レッズと同じ赤いユニホームに袖を通すことを決めた。

 熱烈ラブコールが稀代のバットマンのハートを射止めた。前パドレス傘下3A・エルパソの秋山がついに広島入りを決断した。

 古巣・西武、ソフトバンクに続いて24日に都内のホテルで初交渉。鈴木球団本部長は約2時間に及ぶ交渉の中で、現在の戦力としてだけでなく、将来のチームにとってどれだけ必要かを熱く訴えた。条件面でも34歳のベテランに対して複数年契約を用意した。交渉後、鈴木本部長は「一人でしゃべりまくったかもしれない」と照れ笑いを浮かべた。それほどまでにカープの本気度は高かった。

 チーム本塁打はリーグ最少の35本。当初は新外国人の獲得を目指していた。だが、候補に挙げた選手との交渉は相手チームの事情もあり、ことごとく難航。諦めかけたところに“秋山FA”の一報が届いた。松田オーナーはすぐに獲得へGOサインを出した。

 「以前にティー打撃を見た。“これはモノが違う”と思ったのを覚えている。人間性も素晴らしいと聞いている。(テレビ番組)“球辞苑”を見ても考え方、受け答えも素晴らしい。戦力としてはもちろん、チームにもたらすものが大きい」

 ぞっこんだった。

 もちろん、将来だけでなく現在ペナントレースを戦うチームにとっても大きなプラスが期待できる。

 外野は3番を務めてきた西川が下半身のコンディショニング不良で離脱中。この日も内野手の上本が左翼に入るなど、固定できていない。打順も開幕から2番でつないできた菊池涼を3番に入れる苦肉の策でしのいできた。秋山が加入となれば、『3番・センター』での起用が濃厚。打力アップだけでなく、ゴールデン・グラブ賞6度の実績を持つだけに、外野守備も強固になる。

 秋山は1日も早いチーム合流を望んでいる。この日、チームは16日ぶりに勝率5割復帰を果たした。首位・ヤクルトには12ゲームと大きく引き離されているが、NPB通算1405安打を誇るバットマンの加入で再浮上は夢物語ではなくなる。

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