広島はパに通用するのか?セ界1位の打率と安定した投手力 北別府氏「ここが試金石」
交流戦が24日にスタートした。広島はセ・リーグ1位のチーム打率・261と安定した先発陣が強みだ。デイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏は“他流試合”での腕試しに期待。同時に、「先発陣は十分通用する」と好勝負を予想した。(数字は23日現在)
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今年のパ・リーグは投手の話題が豊富。完全試合があり、ノーヒット・ノーランもあった。打者が霞んでしまうほどの活躍ぶりだけど、実際にその数字は凄いよね。
投手の個人成績は素晴らしいし、チーム防御率も交流戦が始まる時点で5球団が2点台という驚くべき数字。当然ながら各球団のチーム打率は低くなっている。
セ・リーグは、これも交流戦前の段階で村上(ヤクルト)が13本塁打で岡本和(巨人)が12本。佐藤輝(阪神)と牧(DeNA)が10本で続き、見た目の華やかさは、こっちのほうがある。なんとなくイメージがいつもと違う感じがするね。
そのパが誇る強力投手陣に広島の打力がどこまで通用するのか。腕試しにはもってこいの舞台ですよ。
今年のカープは昨年同様、打線が活発。本塁打こそ少ないけど、チーム打率はリーグトップだね。昨年と違うのはヒットが得点に結びついている点。“つなぎの意識”が浸透し、得点力を高めている。
最初のカードのロッテ戦は2試合が終わって1勝1敗の五分。この先、パの“剛腕”にしぶとく食らいついていくか。力でねじ伏せられてしまうのか。じっくり拝見したいね。
次に先発ローテ。今年は大瀬良、九里、森下、床田、遠藤、アンダーソンの6人で回すことになりそうだが、何がいいって、6人とも防御率が素晴らしい。
大瀬良=2・90
九里=2・26
森下=2・43
床田=2・77
遠藤=2・66
アンダーソン=2・41
全員が2点台。ここまで安定しているのも珍しいね。
(昨年はコロナ禍もあり交流戦は先発ローテが固定せず、12人の投手を先発で起用するなど台所事情も火の車で、結果は3勝12敗3分。ここで作った借金が最後まで響いた)
しかし、今年は6人そろって力のある球を投げられる。パの打者相手には、ある程度のスピードがないと苦しいからね。そういう意味では十分通用するだろうし、期待がもてると思う。
ただし、一本調子にならないこと。特に立ち上がり、球が上ずらないよう注意してほしい。今年は投手力に押され気味とはいえ、パの打線は爆発力があって怖いからね。狙われないように。的を絞らせない配球が大事。
今年のカープは投手陣がゲームを壊さず、打線がその投手を援護することで投打がかみ合い、勝ってきた。若い人が多く、最初はどうなることかと心配だったけど、ここまでよく頑張っている。
でも問題はこれからですよ。そういう意味で交流戦は今後を占う試金石になると思う。実に興味深いね。