広島・小園 ブレーキ 佐々岡監督「乗り越えないといけない選手」連勝ストップで首位陥落

 「ヤクルト3-1広島」(12日、坊っちゃんスタジアム)

 広島の小園海斗内野手(21)が4打数無安打に終わった。1-1の八回1死一、二塁では見逃し三振。勝ち越し機をものにすることはできなかった。開幕から「3番・遊撃」のレギュラーとしてスタメン出場を続ける若鯉。佐々岡監督は悔しさを原動力にしながらの復調に期待した。チームは1-3で敗れ、引き分けを挟んで続いていた連勝は3でストップ。2位に転落した。

 小園が松山の夜空に視線を送った。顔をしかめ唇を真一文字に結ぶ。1-1の八回1死一、二塁。清水の外角146キロ直球に見逃し三振に倒れた。一打出れば勝ち越しの好機。結果を出せず、悔しさが残った。

 「ファウルで逃げたりとかしないといけなかった」

 初球、2球目とフォークを連投され2ストライク。3球目は外角低めいっぱいだった。手を出せず、見送るしかなかった。

 4打席中3打席は走者を置いた場面で出番が来た。初回1死一塁では二ゴロ併殺打に終わり、菊池涼が左前適時打を放ち1-1で巡ってきた六回2死一塁では二ゴロ。同点で球場の雰囲気が高まる中でも勢いに乗れなかった。

 打撃状態は決していいとは言えない。8日の阪神戦、最終打席で中前打を放って以降は快音が止まった。4打数無安打に終わり、3試合連続、13打席連続で安打はない。打率は・156となった。

 キャンプ打ち上げの2月28日、佐々岡監督は遊撃のレギュラーは小園だと明かした。八回、一打勝ち越しの場面でも代打策を取らずに若鯉をそのまま打席へ。「チャンスだったので、いろいろあった」としながら、送り出した意図をこう説明した。

 「小園は今こういう調子の中でも、ここを乗り越えないと真のレギュラーというか、乗り越えないといけない選手。この壁をどう乗り越えるか、次にどう生かせるか。こういう失敗を次に生かせるかという試練だと思う」。期待を込めての打席だった。13日も3番で起用する方針は不変だ。

 坊っちゃんスタジアムでの試合は2015年4月15日以来7年ぶり。接戦に敗れ、引き分けを挟んで続いていた連勝は3でストップした。首位も巨人に明け渡した。

 小園は「今までやってきたことをしっかりやっていきたい」と前を向いた。最初のストライクから積極的にスイングするなど、持ち味は失っていない。苦しい時期を乗り越えた先にまぶしい光があると信じてグラウンドに立ち続ける。

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