広島ドラ3中村健人 開幕スタメンへ逆襲打 「1打席1打席、ラストチャンスだと」

 「オープン戦、阪神10-3広島」(8日、甲子園球場)

 広島のドラフト3位・中村健人外野手(24)=トヨタ自動車=が、オープン戦3試合ぶりのスタメンで、マルチ安打に好走塁を見せて開幕スタメンに向けてアピールした。同6位・末包昇大外野手(25)=大阪ガス=が15打席無安打と苦しむ中“実戦派”ルーキーが追い上げ態勢に入った。

 中京大中京での3年夏、『3番・センター』でベスト16に貢献した思い出の甲子園。だが、中村健に感慨に浸る余裕はなかった。朝、スタメンを聞いて「よし行くぞ!」と気合を入れた。あのころと同じように、ガムシャラに白球を追った。

 二回2死一塁で訪れた第1打席。西勇の低めに食い込むシュートをはじき返すと、打球は三遊間を破って左前へ。さらにスキをつき、そのまま二塁を陥れる好走塁(記録は西勇の失策)でチャンスを広げてみせた。

 五回には先頭から、石井の145キロを今度は一、二塁間を破る右前打でチャンスメーク。七回には伊藤将に対して、8球粘って四球をもぎ取った。

 「1打席1打席、ラストチャンスだという思いでやるというか、1球を逃さないぞという思いで。余計なことを考えずに集中して入っていけた」

 キャンプ中には初の紅白戦と今年初の対外試合となった、2月16日のDeNAとの練習試合で続けて“チーム1号”を放っていた。ところが、オープン戦に入ると快音が途絶えた。沖縄、横浜と続いた4試合で、9打席無安打。気がつけばスタメンのチャンスも失っていた。広島に戻って打ち込む中で、自分の打撃を見つめ直した。

 「ストレートに対しても変化球に対しても入りが悪かった。強い打球を打つ、低く速い打球をいかに打てるかというところからフォームを修正して、体重移動も修正していい形で練習が積めた」

 ルーキーとはいえ大学、社会人と経験してきた24歳。「自分の中での手応えがあって甲子園に来ました」。立ち直る引き出しも、豊富に持っていた。

 マルチ安打の活躍に佐々岡監督は「しっかりと捉えている。チャンスを与えて結果が出ればまた、チャンスをもらえるというところ」と評価。諦めずに、はい上がってきた姿勢に目を細めた。

 現状、外野の三つのポジションはいずれも決まっていない。「打ったり打たなかったりは運がある。他で差をつけられるように頑張りたい」。打力だけでなく守備、走塁にも余念がない。“実戦派”が開幕スタメンを狙う。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

広島カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス