広島・森浦大輔が左打者封じに手応え 「内角を使えていなかった」昨季反省を生かす
広島の森浦大輔投手(23)が、左打者攻略に手応えをつかんでいる。飛躍を誓う2年目のテーマは左打者をいかに抑えるかだ。
16日DeNAとの練習試合では楠本を抑えるなど1回1安打無失点と好投した。
狙い通りの投球だった。九回から登板した森浦は1死一塁で楠本を空振り三振に打ち取った。3球続けた内角への直球。決め球は力強く制球も抜群だった。
「インコースに投げられた。対左が今年のテーマなので良かったと思います」
左打者への投球を磨いている。昨季は右打者の被打率が・158と安定していた一方で、対左の同率は・304。「外角ばかりに投げていた。内角は使えていなかったところ」と振り返った。
大学時代は外角球だけの出し入れで抑えられた。内角球は「あまり投げたことがない」という。54試合で防御率3・17を残した昨季の成績を上回るためには、投球の幅を広げることが不可欠だと自己分析した。
練習では同じ左腕の床田に助言を求めたりしながら投球イメージを膨らませてきた。「肩ごしからひっかけて投げると言われた。まずはしっかり投げ切れるようにしたい」。相手打者の、投手側になる右肩を目標にして腕を振ることで、制球力向上を目指している。
ブルペンでも左打者を想定。投げ込む度に精度は確実に上がってきた。高橋投手コーチは「左投手は、左打者を苦にしないというのが大事。出力があって投げっぷりもいい」と太鼓判を押した。
クイックモーションの改善にも着手中だ。昨季は開幕から38試合目まで盗塁を許さなかったが、それ以降は16試合で4盗塁された。クセなどを見破られていた可能性がある。
同戦では持丸との共同作業で二盗を阻止したが、満足はしていない。「まだちょっと盗まれていたのかなと思う」。静止してから球を持つ時間を長くするなど、さらなる工夫を模索。走りにくい状況をつくることでも盗塁阻止率アップを目指す。
今季は延長12回制が再び採用される可能性が高く、中継ぎの役割も増える。球団初となる新人から2年連続50試合登板を果たすためには、左右に関係なく安定した投球が求められる。大きな目標を掲げる左腕は、課題克服に励んでいる。(市尻達拡)