広島ドラ3・中村健人 ポスト誠也弾 東出コーチもワクワク「割り切り良い」
「練習試合、広島4-6DeNA」(16日、コザしんきんスタジアム)
広島のドラフト3位・中村健人外野手(24)=トヨタ自動車=が、DeNAとの練習試合でチーム対外試合1号となる左越えソロでアピールした。日南での紅白戦でもチーム1号を記録しており、再び放った記念弾。二回に左前打、五回は四球を選ぶなど3打席全てで出塁した。外野の定位置を奪う戦いで“ポスト誠也”を強く印象づけた。
逆風を切り裂いた白球が芝生で弾んだ。視線を独り占めした中村健は、充実感いっぱいにダイヤモンドを一周した。チーム対外試合1号となる左越えソロ。またしても決めてみせたメモリアル弾だ。
「感触的には少し詰まってたというか。ポイントは良かったんですけど、芯ではなかった。伸びろと思いながら走っていました」
七回だ。先頭で打席に立ち、この回から登板した育成左腕・ディアスの初球、143キロ直球を振り抜いた。日南キャンプで11日に行われた今春初の紅白戦。高橋昂から放ったチーム実戦初アーチも、この日と同様に初球を捉えたものだった。
「どこに自分が勝負できる可能性があるかというのを、すごく考えて打席に立っています」
プロの投手と初対戦が続く。直球が速いというデータがあったディアスに対しては、真ん中付近の直球に狙いを絞っていた。「(打てる)確率が高いところに勝負を仕掛けていきたかった。逃したくないという思いで1球に集中していた」。準備を怠らないことが、迷いなく振り抜けている要因だ。
東出野手総合コーチも「割り切りが良い。捨てているところは捨てている。あと試合に入っていく能力がすごい」と目尻を下げる。
鈴木誠がポスティングシステムでのメジャー移籍を目指しており、“ポスト誠也”がチーム最大の懸案事項だ。若手が多い外野陣は連日、猛アピール中。確実性や長打力など個々の武器をそれぞれがアピールしている。
二回1死一塁では左前打を放ち、五回無死一塁はきっちり四球を選び好機を拡大した。つなぎ役にもポイントゲッターにもなれることを示した一戦は、首脳陣に大きなインパクトを残したはずだ。
「即戦力という部分では(打撃が)求められると思いますが、守備もできます、走ることもできます、声も出しますと。自分らしさを出していければ、おのずといい結果が待っていると信じています」と中村健。力強いその言葉が頼もしく映った。