広島・田中広 レギュラー奪還へテーマは「楽しむ」苦しんだ3シーズン経て初心へ

 フリー打撃で打ち込む田中広(撮影・立川洋一郎)
 ノックの打球を追う田中広(撮影・立川洋一郎)
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 広島の田中広輔内野手(32)が22日、マツダスタジアムでの合同自主トレに合流し、今季のテーマを「楽しむ」とした。昨季はプロ入り後最少の81試合出場に終わり、遊撃の定位置を小園に奪われた。9年目の今季は野球少年のように白球を追い、レギュラーの座を奪い返す意気込みだ。

 今季のテーマを問われると、田中広は「僕にとって難しい“楽しむ”こと、いい顔をして本当に練習からやりたい」と即答した。

 自身の性格を「考え過ぎてしまう」タイプと分析する。昨季までは選手会長を務めていたこともあり、グラウンド内外での気配りが役割の一つにあった。「そういった中で、僕の中で余裕がなかった」。偽らざる思いを言葉に変えた。

 昨季は開幕から不調。6月上旬に小園に定位置を奪われた。10月には2軍に降格し、若手に混じって「みやざきフェニックス・リーグ」にも参加した。81試合出場はプロ最少だった。

 野球を職業とするだけに「仕事ですし、勝敗のあること。僕には(楽しむことが)なかなか苦手なところではあった」。それでも過去3年の苦しいシーズンを経て、初心に立ち返った。

 「もう一度純粋に野球をしたい。好きな野球を仕事にしているので“遊び心”じゃないですけど、そういう気持ちを持って。いい表情で野球をやりたい」

 7日から20日までは毎年恒例の沖縄自主トレ。暖かい場所で走り込み、キャンプへ向けて準備してきた。「自分のパフォーマンスができればいいかなと思う」。無心で追う白球。その先に遊撃のレギュラー再奪取が見えてくる。

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