カープ中崎 背水覚悟で急速仕上げ キャンプ初実戦照準「1軍で使ってもらえるよう」

 広島・中崎翔太投手(29)が17日、マツダスタジアムで行われた合同自主トレに参加し、“復肩”へ向けて精力的に動いた。2016年から3年連続で胴上げ投手となったかつての守護神。ここ2年は右膝や右腕の手術などもあり出番を減らしてきた。復活を懸ける今季。キャンプ初実戦での登板に照準を合わせ、アピールを目指す。

 マツダスタジアムの外野を走る中崎の笑顔が輝いていた。復活を懸ける12年目のシーズン。意気込みは仕上がりの早さに表れている。

 15日の合同自主トレ初日から室内練習場のマウンドに立ち、捕手を立たせたままではあるが、力強い投球を披露した。16日も2日連続で登板し、第1クール最終日のこの日はランニングメニューで追い込んだ。

 「順調に来ているんじゃないかと思います。(投球は)まだまだですね。バラバラな部分もありますし、もうちょっとしっかりやっていけたら」

 年始から塹江と2人、三重県で恒例の自主トレ。ここでも追い込んできた。通算115セーブ、チームを3連覇に導いたかつての守護神も、ここ2シーズンは右膝や右肩の手術などで満足に過ごせていない。特に昨季は1軍デビュー後、最低となるわずか4試合登板に終わった。もう後がないことは自覚している。

 「しっかりとやらないといけない。チームの力にしっかりとした成績で貢献できるように、と思って今から取り組んでいけたら」

 ここまで来れば実績は関係ない。アピールしてブルペンに居場所を確保する立場だ。

 「一番早い実戦をイメージして去年から今年にかけて取り組んでいます」

 昨年、オフに入ったときから決めていた。1次キャンプの日南で予定されている最初の紅白戦登板に照準を合わせている。通常なら若手投手たちのアピールの場だが、なりふり構っていられない。29歳はそこでやれるところを首脳陣に見せつけるつもりだ。

 その先にあるのは、栗林から守護神奪還ではないと言う。

 「まずは1軍で使ってもらわないと。使ってもらえるようにやるだけ。1年間しっかり戦って最後にこれだけできたと思えるようにしたい」

 もう一度、背番号21を1軍のマウンドで輝かせたい。そのために、やれることはすべてやる。

【中崎これまでの過程】

 ◆2015年 開幕からセットアッパーとして好投し、4月18日・中日戦(マツダ)から守護神に転向。6月以降は安定した投球で29セーブを挙げた。

 ◆16年 守護神として開幕を迎え、シーズンを通して安定した投球を展開。キャリアハイの防御率1・32、34セーブで、25年ぶりのリーグVに貢献。胴上げ投手となる。

 ◆17年 開幕から5試合登板後に「腰痛症」で離脱したが、5月末に1軍復帰後はセットアッパーとして奮闘。シーズン終盤は守護神に復帰し、2年連続の胴上げ投手となる。

 ◆18年 守護神として開幕。32セーブを挙げ、71~73年の高橋一三(巨人)以来45年ぶりの3年連続の胴上げ投手となる。

 ◆19年 開幕から不安定で、6月上旬に守護神陥落。同20日に2軍落ちし、11月に右膝の手術を受けた。

 ◆20年 6月19日の開幕はベンチ入りしたが、不調で7月10日に2軍落ち。再昇格できず、9月に「右後上腕回旋動脈瘤(りゅう)切除術」を受けた。

 ◆21年 状態が上向かず、1軍デビューした12年以降では自己最少の4試合の登板に終わった。

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