広島の育成を含む新人１１選手が１１日、施設見学を行い、マツダスタジアムを訪れた。ドラフト３位・中村健人外野手（２４）＝トヨタ自動車＝は本拠地で活躍する姿を思い描き、トヨタ自動車の１年先輩である栗林とお立ち台に上がることを目標に掲げた。“ポスト鈴木誠”の一人として期待される即戦力ルーキー。持ち味の長打力と勝負強さを発揮し、鯉党を沸かせる。

　美しい天然芝のフィールドを見渡した。初めて訪れたマツダスタジアム。一般開放でソフトボールが行われていたためグラウンドには降りられなかったが、スタンドからでも素晴らしさは理解できた。球場に来ていた少年少女に笑顔で手を振った中村健は「メジャーリーグのような、目線が低い席があり、マツダに行ったことがある方のどなたに聞いても本当に最高だよと聞いていたので、楽しみです」と胸を躍らせた。

　これから始まるプロ野球人生。理想の一つに掲げたのは栗林との“お立ち台ジャック”だ。同じ愛知県出身。高校時代に対戦経験があり、トヨタ自動車ではチームメートとなった。一足早くプロ入りし、ルーキーイヤーから大車輪の活躍を見せた右腕。中村健はその偉大な先輩の背中を追い、共闘を誓った。

　「クリさんと一緒にお立ち台に立つためには、僕が八回裏に逆転ホームランや逆転打を打って、九回表を抑えてもらうのがマツダではベスト。九回に抑えてもらって、サヨナラでもいいですけど、どんな形でもそこを一つの目標に頑張りたい」と目を輝かせた。さらに「先輩に聞いていいやつをやりたい」と、ヒーローインタビューでの決めセリフも思案している。

　もちろん“トヨタタッグ”結成を実現するには、１軍での活躍が必須だ。今オフ、主砲の鈴木誠がメジャー挑戦を表明。メジャー移籍となれば、空いた枠を巡ってし烈な競争が行われるのは確実だ。中村健もその中に割って入り、スタメンを獲得するためには、持ち味の長打力と勝負強い打撃を発揮していくことが求められる。

　「マツダはファンとの距離感が近いと思うので、いろんなプレーを見て、いい選手だねと思ってもらえるように。打で沸かすことができたら最高かなと思う。（ホームが）一塁側なので、欲をいえば右翼席に打ち込みたいが、なかなか逆方向は難しいので、バックスクリーンに打ち込みたい」。ファンに捧げる豪快な一撃を思い描く即戦力ルーキー。先輩に負けない活躍を１年目から見せ、チームに貢献してみせる。