米大リーグ（ＭＬＢ）の公式サイトが５日（日本時間６日）、広島の鈴木誠也外野手（２７）が今オフにポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦する見通しだと伝えた。今季自己最多の３８本塁打を放ち、首位打者など２冠を獲得した鈴木誠をＦＡ（フリーエージェント）市場のトップ外野手に匹敵すると高く評価。鈴木誠自身は去就を明らかにしておらず、今後の決断が注目される。

　日米で鈴木誠の去就に注目が集まる中、ＭＬＢ公式サイトが「日本の外野手のスズキがポスティングへ」との見出しでトップニュースとして報じた。同サイトは情報筋の話として、球団から正式な発表はないが、日本シリーズが終了した今月末にも申請を行う見通しであると伝えた。

　鈴木誠は今季、東京五輪日本代表で４番を務め、金メダル獲得に貢献。シーズンでは打率・３１７をマークし、２年ぶりの首位打者と最高出塁率（・４３３）の２冠に輝いた。自己最多となる３８本塁打を記録した主砲を、記事では「我慢強さとパワー、そして盗塁に対する才覚もある右打者」と評価した。

　また、国際的な舞台で活躍を収め、１９年のプレミア１２でもＭＶＰを獲得した輝かしい経歴を紹介。今オフのＦＡ市場における外野のトップ選手に匹敵するとし、今季、マーリンズとアスレチックスで打率・３１０、１２本塁打、５５打点、メジャートップの４７盗塁の成績を残したスターリング・マルテ外野手（３３）と並ぶ存在であると伝えた。さらに１８年に新人王を獲得したブレーブスのスター選手、ロナルド・アクーニャ外野手（２３）とも比較される存在とした。

　獲得に名乗りを上げる可能性のある球団には、主力選手のマイケル・コンフォート外野手（２８）がＦＡとなるメッツや、過去にダルビッシュら日本人選手を獲得し、日本でのスカウティング力に定評のあるレンジャーズを挙げ、「スズキのパワーはテキサス（レンジャーズ）のラインアップで歓迎されるだろう」とコメントした。

　鈴木誠はこの日、マツダスタジアムに姿を見せ、ＭＬＢ公式サイトの報道について「まだ何も決まっていないので、僕から話すことは何もありません」と話すにとどめた。既に手続きが始まっている今年のポスティング申請期間は１２月５日まで。ポスティングが開始されるとメジャー３０球団と３０日間、交渉が可能となる。日本の４番がどんな決断を下すのか、今後の動向から目が離せない。