広島・誠也 ポスティング熟考へ 2冠締めシーズン終了も「本当、まだ分からない」

 今季最終戦を終え、ファンにあいさつする鈴木誠(中央)=撮影・西岡正
 今季最終戦を勝利で終え、佐々岡監督(右)に迎えられる
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 「ヤクルト7-9広島」(1日、神宮球場)

 広島・鈴木誠也外野手(27)が、2019年シーズン以来2年ぶりの首位打者タイトルを確定させた。3試合ぶりに先発出場し、3打数無安打ながら打率・317でリーグトップを維持し、・433で同じく2年ぶりの最高出塁率も獲得。4番としてチームを引っ張ってきた背番号1が勲章をつかみ、今季の戦いを締めくくった。また注目されるポスティングによるメジャー移籍については「何とも言えない。これから」と話すにとどめた。

 敵地のファンから注がれる拍手を聞きながら、鈴木誠は投手との勝負に臨んだ。快音を奏でることはできなかったが、刻んできた足跡は色あせない。今季最終戦は3打数無安打となったが、打率・317で今季を終えて2年ぶりの首位打者と最高出塁率を獲得。「出塁率はうれしいですね」。38本塁打で惜しくも本塁打王獲得はならなかったが、バットマンとしての勲章を手中に収めた。

 スタメン出場は3試合ぶり。初回は1点を先制してなおも無死一、二塁の好機で見逃し三振。5点リードの三回は1死で右飛に倒れた。1点を追う五回は無死二、三塁の絶好機で空振り三振。吉田喜の浮いたフォークにバットが空を切った。

 Hランプはともせず「率に関しては、きょうもダメでしたし、また課題が見つかりました」と反省の弁を口にするも打率リーグトップを維持。これまで王貞治(巨人、8年連続)と落合博満(ロッテ・中日、7年連続)しか達成していない、6年連続3割&25本塁打も達成し、偉大なバットマンに肩を並べた。

 ただ本人は個人記録には興味を示さず、常に周囲を思う。シニアリーグに所属していた中学3年時、ベスト4を懸けた全国大会でチームは敗戦した。その試合はチームメートの主将が頭部に死球を受けて途中交代。病院で検査を終えて球場に戻った主将に対し、鈴木誠は真っ先に駆け寄って号泣しながら謝ったこともあった。

 これまでは将来的な大リーグ挑戦の夢を語っていた主砲。海外FA権取得は23年に取得し、注目される今オフのポスティングでの大リーグ挑戦に関しては「本当、まだ分からない。まだ何とも言えないです。これからいろいろ話していくんじゃないかなって」と見通しを語り明言はしなかった。

 東京五輪での金メダル獲得にも貢献した激動の1年。「長かったですね。疲れました。いろいろ経験できたシーズンでもあった」。赤ヘルの大黒柱が、長丁場のペナントレースを懸命に駆け抜けた。

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