広島・鈴木誠&坂倉 鮮やかアベック弾 完封で虎に3タテ! 4連勝で4位浮上
「広島5-0阪神」(29日、マツダスタジアム)
広島が同一カード3連勝を飾り、5月25日以来となる4位タイに浮上した。立役者となったのは鈴木誠也外野手(27)と坂倉将吾捕手(23)だ。初回から見舞ったアベック弾で、昨季から8連敗を喫していた天敵・秋山を攻略した。投打がかみ合い今季2度目となる4連勝。チームが勢いに乗ってきた!
秋の気配も感じられるマツダスタジアムの夜空に、美しいアーチを描いた。目覚めるような豪快な一発を放った2人の活躍に、鯉党は歓喜に沸いた。26日の巨人戦(東京ドーム)以来2度目となる坂倉とのアベック弾に、鈴木誠は「先制することができて良かったです」と表情を緩めた。
初回だ。まずは鈴木誠が2死二塁から秋山の初球変化球を左中間席に運んだ。2戦連発となる先制の19号2ランで、達成すれば球団史上5人目となる6年連続20本塁打に、王手をかけた。4試合連続の安打と打点で、最近4試合で4発。主砲の勢いが止まらない。
頼れる4番に坂倉も続いた。1ストライクからの2球目。「もう一回チャンスを作れるようにと思って打席に入った」。直球を捉えて右中間席への8号ソロを放った。
七回にも坂倉が存在感を示した。2死二塁から鈴木誠が敬遠されたが、「絶対歩かされるだろうなと思ったので準備はしていた。何とか食らいつこうと思って頑張りました」。追い込まれながらも及川の直球を左越えの2点適時二塁打に。5試合連続の安打と打点を記録し、好調を維持する主軸が日に日に輝きを増している。
ついに天敵を攻略した。秋山には19年5月19日(甲子園)に黒星をつけたのを最後に、20年7月21日から10試合勝ちなしの8連敗中。今季も5試合の登板で0勝4敗と全く歯が立たなかった相手に、一発攻勢でようやく土をつけた。佐々岡監督は「つながりが出てきたし、長打も出てきた。秋山投手はなかなか攻略できていなかったが、初回2死からエラー絡みで誠也が先制パンチ。相手にとってはダメージがあった。3点は大きかった」と野手陣をたたえた。
これで広島が同一カード3連勝を含む今季2度目の4連勝を飾り、5月25日以来となる4位タイに浮上した。まだまだ上位進出に向けて諦めるわけにいかない。「きついですけど、試合に出られることに感謝して。責任感を持ちながらできていると思う」と一塁と捕手の兼任に手応えを口にする坂倉。打線をけん引する新4、5番コンビがアーチを量産し、チームに勢いをもたらしていく。