カープまた自力V消滅 拙攻の連続で天敵秋山に8連敗 今季9度目完封負け

 「阪神3-0広島」(15日、京セラドーム大阪)

 広島が拙攻の連続で後半戦開幕カードに負け越し、またも自力優勝の可能性が消滅した。四回まで7残塁で、五回無死一塁は三振ゲッツーで逸機。五回以降は1安打で今季9度目の完封負けを喫し、阪神・秋山には8連敗となった。カード初戦を取りながら痛恨の連敗。17日・中日戦(バンテリン)から仕切り直す。

 五回を終えて、2点のビハインド。だが三塁ベンチ全体には、点差以上に重苦しい雰囲気が充満していた。塁上をにぎわせながら、最後まで本塁が遠かった。今季9度目の完封負け。自力優勝の可能性が再び消滅した試合後、佐々岡監督は「一戦一戦やるだけです」と必死に前を向いた。

 相手先発は秋山。20年7月21日から7連敗中の天敵攻略に燃えたが、またも苦しめられた。河田ヘッドコーチが「走者が出て何とかしないといけないところで策が打てなかった」と振り返ったように、好機をつくりながら得点を奪えなかった。

 初回2死一、二塁は坂倉が一ゴロ。1点を追う三回2死一、三塁はまたしても坂倉が遊ゴロに倒れた。

 四回1死一、二塁では代打・田中広が見逃し三振。続く野間は捉えた打球を放ったが中飛。ツキもなく、試合の潮目を変えることはできなかった。

 四回を終えて7残塁。五回は先頭・菊池涼が四球で出塁。しかし、続く小園がフルカウントから見逃し三振。一走・菊池涼も二盗失敗で痛恨の“三振ゲッツー”。再三の好機を逃してスコアボードに刻まれる「0」。もどかしさだけが募った。

 五回以降は1安打。阪神より1本多い7安打を放ちながら無得点に終わった。佐々岡監督も「あと一本というところで、秋山君にうまくかわされた感じ」と首をひねった。27日からは再び阪神3連戦(マツダ)が組まれている。週末のカードということもあり、ローテ通りなら秋山と再戦する可能性は高い。

 だからこそ、河田ヘッドは選手の奮起を促した。「得点圏で前に飛ばしていけるかは、どの投手でも永遠の課題。苦手意識が原因なら、払しょくしていかないといけない」と強調。「集中力がないような、そんな雰囲気にだけはしてはいけない」と訴えかけた。

 13日の後半戦開幕戦は勝利したが、連敗で後半戦最初のカードは負け越し。17日からは中日戦(バンテリン)。5位に低迷する状況から、脱出するきっかけをつかみたい。

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