広島・野村、2度目の2軍降格…ドラ1佐藤輝に逆転満弾5回途中KO、白星いまだ…
「阪神7-3広島」(2日、甲子園球場)
甲子園の空に舞い上がった打球が右翼席ポール付近へ飛び込んだ。体勢を崩し、本来のスイングはさせなかった。それでも打球はグングン伸びる。ドラフト1位・佐藤輝(近大)に許した満塁弾。広島・野村が一発に屈した。
「投げたかったところではなかった。少し内角気味に行ってしまった」
3-1の五回無死満塁。2ボール2ストライクから、チェンジアップを投じた。1、2打席目で打ち取った決め球だった。外角低めを狙った1球はわずかに真ん中へ。それをパワーで制された。
直後に降板。勝ち投手の権利を目前にしながら手放した。4回0/35安打5失点で3敗目。佐々岡監督は「勝負できているところが、なかなかないというか。自分でリズムをつくれていない」と厳しい表情で振り返った。
5度目の登板でも今季初白星はなし。指揮官は「球の力、切れがない。勝負できていない感じに見える。次回登板?落とします」と今季2度目の2軍再調整を明言した。
昨秋に受けた右肩付近の血栓症手術から復帰を目指すシーズンは、苦しい登板が続く。「しっかり自分の投球ができるように準備をしていきたい」。野村は言葉を紡いだ。経験豊富な右腕が、もがいている。