「カープ浅井打撃塾」開講 フロント入りした元鯉戦士・浅井さんがジュニアを徹底指導

今春から「浅井打撃塾」がスタートした浅井樹さん
中学生にマンツーマンで打撃指導を行う浅井さん
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 広島カープの左の強打者として活躍し、引退後は13年間コーチを務めた浅井樹さん(49)。19年限りで退任して、現在は球団編成部に籍を置く。今春から「カープ浅井打撃塾」がスタート。球団がレベルアップを目指す小学校高学年から中学生を公募。1グループ4人の少人数制で、浅井さんがマンツーマンで技術指導を行う。

 「(大人数の)野球教室と違って、選手一人一人に合った指導ができる。選手たちがこれからも野球を続けていく上で『こういう練習をしたらいいよ』というドリルも教えてあげられれば。限られた時間の中で、できるだけ中身の濃いものにしていきたい」。先日行われた1回目の指導では、気さくに語りかける浅井さんに選手たちの緊張もすぐにほぐれ、真剣な表情でアドバイスに耳を傾けた。

 カープ一筋のプロ野球人生。現役生活を17年間送り、引退後は1、2軍の打撃コーチなどを13年間務めた。昨年からフロント入りし、現在の役職は「編成部編成課長兼ベースボールクリニックコーチ」。メインとなる打撃塾のほかにも多くの業務をこなしている。

 その一つが、ケーブルテレビ「ちゅピCOM」で放映されているウエスタン・リーグ広島戦の解説。「球団の人間として呼んでもらっているので、試合の解説というよりは、選手のエピソードや頑張っている姿を視聴者にお伝えして、その選手をもっと応援してもらえるようにするのが役目です」。今季は約20試合で放送席に座る予定という。また、ドミニカ選手のサポート役も任されており、由宇球場や大野練習場に足を運んでアドバイスしたり、相談相手になったりしている。

 多忙な日々の中、いつも心にあるのがカープと“第2の古里”ともいえる広島への恩返しの思いだ。18歳で故郷・富山を離れ、広島に来て今年で32年目。「カープのおかげで今の自分がある。広島の人たちにも受け入れてもらい、いつも『頑張れよ』と声をかけてもらって応援していただいた。多くの支えがあったからこそ17年間も現役生活を送ることができた。今の僕にできることは野球で恩返しすること」と話す。

 「浅井打撃塾」もそんな思いから始まった。「広島という土地はカープがあり、高校野球も強いチームがたくさんある野球どころ。コーチ時代はチームを強くするために選手を鍛えてきたが、これからは野球少年たちを教えることで、少しでも広島県全体の野球レベルを上げることができれば」。いずれは指導対象を高校生まで広げることも考えている。

 カープの戦いぶりも常に気に掛けている。「今もコーチ目線でワクワクドキドキしながら試合を見ている」と笑う。そして「長くプロ野球の世界でやってきたわけだから、また求められればユニホームを着てチームを強くしたいという思いはあります」。現役時代は丸太のような太い二の腕をむき出しにした構えと勝負強い打撃で他球団の投手陣を震え上がらせた浅井さん。今年12月には50歳を迎えるが、野球への情熱はまだまだ衰えてはいない。(デイリースポーツ・工藤直樹) 

  ◇    ◇

 ◆浅井樹(あさい・いつき)1971年12月14日生まれ。富山市出身。現役時代は左投げ左打ちの外野手で身長183センチ、90キロ。背番号は6。富山商時代は2年と3年の夏に甲子園出場。89年度ドラフト6位で広島に入団。4年目の93年にプロ初出場し、95年に1軍に定着した。レギュラーの座はつかめなかったが、左の強打者として、右の町田公二郎とともに「スーパーサブ」と呼ばれた。代打でも勝負強さを発揮し、通算代打安打はセ・リーグ歴代3位の154本、通算代打打率は同2位の・315。06年限りで引退し、07年から19年までコーチを務める。通算成績は1070試合出場、525安打、52本塁打、259打点、打率・285。

 ◆「カープ浅井打撃塾」 小学校高学年から中学生が対象。硬式クラスと軟式クラスがある。生徒は1グループ4人で、1時間の指導を計4回実施する。場所はマツダスタジアム併設のカープ屋内練習場。受講料は1人2万円。12月まで実施する予定で、随時、受講生を募集する。詳細は広島カープ公式ホームページで。お問い合わせは同球団入場券部(TEL082・554・1010)まで。

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