カープ九里、痛みに耐えて開幕3連勝 打者走者と交錯転倒も…気迫の106球

 「広島4-2巨人」(10日、マツダスタジアム)

 広島の九里亜蓮投手(29)が7回3安打2失点(自責1)と好投し、自身初の開幕3連勝。打者走者と交錯するアクシデントにも負けず、気迫で巨人打線をねじ伏せた。これで勝利数は両リーグ単独トップ。頼もしいタフネス右腕の活躍で、チームは貯金を3に増やした。

 九里の雄たけびがこだました。七回、松原をカットボールで空振り三振に斬り、三者凡退。106球の熱投で役割を果たし、「何とか粘り強く、1点でも少なくという気持ちで投げました」と充実の汗を拭った。

 序盤は試練の連続だった。初回、1死一塁から梶谷の投ゴロに猛ダッシュ。素早く二塁に投げたが、ワンバウンドの悪送球となった。自らの失策でピンチを広げると、安部の適時失策で先制点を献上した。

 三回は松原に中越えソロを被弾。さらに2死から、アクシデントにも襲われた。梶谷の一、二塁間に抜けそうなゴロを一塁・堂林がダイビングキャッチで好捕。しかし、一塁への送球が乱れた。ベースカバーに走った九里が必死に腕を伸ばすも捕球できず、打者走者と交錯。一回転して転倒した。すぐに立ち上がったが、苦悶(くもん)の表情を浮かべる右腕の姿に球場は騒然となった。

 治療のため一度ベンチへ戻ったが、無事にマウンドに復帰。アクシデントに負けず「痛いのは痛いですが、特に大丈夫です。試合に集中していたので、その辺は気にせずにやっていました」と、平然と振り返った。

 これがひとつのきっかけになったのかもしれない。その後は安定感を取り戻し、ストライク先行の投球が続いた。四回以降は立ち直り、終わってみれば3試合連続のクオリティースタート(6回以上を投げ、自責点3以下)を達成。プロ8年目で初となる開幕から3連勝を飾った。

 右腕は「初回にああいうミスをしてしまった。しっかりと反省したい」と納得の様子はない。だが、佐々岡監督は「初回は自分のエラーからピンチを招いた中で最少失点で抑えたのは大きかった。本来、ああいう展開であれば、向こうに流れがいくところ。粘り強い投球をしてくれた」とたたえた。

 両リーグ単独トップの3勝目。だが、九里は「自分の勝ち負けよりも、自分らしい投球をしてチームの勝ちにつながるようにしたい」と先を見据えた。開幕から勢いに乗る29歳が、先発陣を支えていく。

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