広島・クロン 首位&3連勝導いた 左翼席上段へ特大1号弾「最高の当たりでした」

 6回、左越え勝ち越しソロを放つクロン(撮影・立川洋一郎)
 7回、菊池涼のソロにガッツポーズでバンザイするクロン(右)と安部(撮影・飯室逸平)
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 「広島4-2阪神」(31日、マツダスタジアム)

 広島のケビン・クロン内野手(28)が来日初本塁打となる特大の1号決勝弾を放った。左翼席上段を突き刺した通算17打席目に飛び出した豪快な一撃。二回の左前打を含めて今季初のマルチ安打。ついに目覚めた大砲が引き分けを挟んだ3連勝を導き、今季初のカード勝ち越しで首位に浮上した。

 スタンドインを確信したクロンは、自分だけの時間をかみしめるようにダイヤモンドを一周した。ベンチでナインからの祝福を受け、肘タッチを交わした新助っ人。来日1号となる決勝ソロに「アリガトウゴザイマス」とお立ち台で感謝の言葉を並べた。

 待望の一発は貴重な勝ち越し弾となった。2-2で迎えた六回1死。カウント1-0から、この回から代わった加治屋の内角高め142キロ直球を振り抜いた。来日5試合目、通算17打席目で生まれた一撃は美しい軌道を描いた。左翼席上段を突き刺す特大弾となり「打者としては最高の当たりでした」と表情を緩めた。

 二回の左前打を含めて今季初のマルチ安打を記録したクロンに佐々岡監督は「なかなか結果が出ず、打撃コーチがいろいろ教えながらヒットが出始め、そしてあの一発。大きな一発になったと思う」と称えた。

 オープン戦は32打数2安打の打率・063と低調な成績に終わり、29打席連続無安打のままシーズン本番を迎えた。開幕戦となった26日・中日戦(マツダ)の第1打席で初安打を記録したが、そこから2試合無安打に終わり、打順も前日30日に6番から7番に降格となった。

 それでも試合前練習では自らのルーティンを崩さずに必死に汗を流した。「人生はうまくいくことばかりではないですし、野球においてもうまくいくことばかりではない。とにかく明るく自分のやっていることを信じて前向きにやっていれば、いい結果は必ず付いてくると信じてやっている」と力を込めた。

 アイスホッケー、アメフト、サッカー、ゴルフなど、大のスポーツ好きを公言する新外国人は真面目で勤勉家だ。「本も読むし、知らないことを学ぶことが好きなんだ」。飽くなき探究心がクロンを支えている。

 チームは引き分けを挟んだ3連勝で貯金2。今季初のカード勝ち越しを決め、首位に浮上した。「皆さんの前でたくさん本塁打が打てればいい」と長打量産を掲げた青い瞳に金髪ヘアのナイスガイ。主軸となってチームを勝利へと導いていく。

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