広島・長野 通算150号 メモリアルに花添える連日の逆転勝ちで4連勝

 8回、2ランを放ちナインの出迎えに応える長野(撮影・立川洋一郎)
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 「中日3-9広島」(31日、ナゴヤドーム)

 広島の長野久義外野手(35)が八回に8号2ランを放ち、史上176人目となる通算150本塁打を達成した。メモリアルアーチに花を添えるように、チームも2日連続で打線が終盤に奮起し、逆転勝ちを収めた。1分けを挟み4連勝とし、2016年以来となるナゴヤドームでの勝ち越しも決めた。

 高々と舞い上がった白球が、赤く染まった左翼席に吸い込まれた。節目の一発にふさわしく、美しい放物線を描いた。スタンドと三塁ベンチが大いに沸き上がる中、長野は表情を変えることなくダイヤモンドを一周した。今季8号の2ラン。昨年4月2日に移籍後初本塁打を放ったナゴヤドームで、メモリアル弾を放った。

 150本塁打達成の場内アナウンスが流れると、一塁側の中日ファンからも温かい拍手が送られた。敵地であっても、主役を張った姿がまぶしい。自慢のバットが火を噴いたのは八回だった。

 6-2と逆転に成功し、なおも2死二塁で打席が巡ってきた。代わったばかりの5番手・ゴンサレスの初球。甘く入った147キロ直球を完璧に捉えた。ベンチ前ではナインと左手でエアタッチし、祝福に応えた。3タコ2三振の前日を踏まえ「昨日もそうですけど、(この日も)前の打席までチームに迷惑を掛けていたので」と決して誇らないコメントがいかにも長野らしい。

 秋風が吹き始めても、その存在感は頼もしさを増すばかりだ。10月の月間打率は・333。29日のヤクルト戦(マツダ)では代打で同点2ランを放つなど、ファンの願いをバットに乗せてグラウンドで体現してきた。今季ここまでの代打成績は、25打数11安打、1本塁打。驚異の打率・440と勝負どころで期待に応え続けている。

 攻撃陣は七回まで1点しか奪えない展開だったが、一気呵成(かせい)に攻め立てた。1-2の八回に会沢と代打・松山がそれぞれ適時打を放って形勢逆転。一挙7得点で試合を決めた。

 会沢、松山、長野とベテランが躍動し、佐々岡監督も「よく打ってくれました。今はいい雰囲気の中で、打てている」と目尻を下げた。前夜は七回からの3イニングだけで15得点。この日も終盤の好機を逃さず、2試合続けての2桁安打をマークした。10月は27試合で15勝9敗3分け。4連勝で借金も6まで減らした。

 いよいよ残り7試合。長野は「また、いいところで打てるように」と意気込んだ。唯一無二の輝きを放つ鯉の背番号5が、最後までファンに笑顔を届ける。

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