広島・森下 ライバル巨人・戸郷に並ぶ8勝目 大瀬良以来の新人王へ前進 

 6回、渾身の一球で西浦を見逃し三振に仕留めた森下(撮影・立川洋一郎)
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 「広島3-0ヤクルト」(10日、マツダスタジアム)

 広島の森下暢仁投手(23)が粘投でライバルを捉えた。2度の満塁のピンチを切り抜け、6回4安打無失点で8勝目。し烈な新人王争いを繰り広げる巨人・戸郷と勝ち星で並んだ。防御率や投球回、奪三振など他の項目では戸郷を上回っており、事実上一歩リードした鯉のスーパールーキー。新人王奪取へ、ここからさらに加速させていく。

 本拠地のマウンドは森下のものだった。ピンチでギアを一段上げ、力強く右腕を振る。2度の満塁を切り抜けた。6回4安打無失点、8奪三振。スタンドからの拍手喝采を一身に浴びながらマウンドを降りた。

 「気持ちです。打たれたら嫌じゃなく、0点で抑えたいという気持ち。抑えることができて良かった」

 初回、いきなり無死満塁の大ピンチを迎えた。しかし村上を空振り三振。さらに青木、中山にも自分のスイングをさせなかった。パワーピッチャーの迫力と並大抵のルーキーではないと証明したのが3-0の六回だ。

 青木への死球から招いたピンチを「集中していたので覚えていない」。無心で1死満塁から代打・宮本を空振り三振。そして西浦の2球目には、この日最速153キロの直球で2ストライクと追い込んだ。「自分でピンチをつくった。何が何でも抑える」。スタンドから大きな拍手が巻き起こる。背中を押され、最後はクイックで意表を突き、外角149キロの直球で見逃し三振。球数が100球を超えても球威に衰えはなかった。

 1年前の10月17日ドラフト会議。佐々木朗希(現ロッテ)、奥川恭伸(現ヤクルト)、石川昂弥(中日)らに指名が集まる中、カープが一本釣りに成功した。明大での会見で何度も口にしたのは「勝てる投手になりたい」という言葉だった。

 五回は素早いフィールディングで併殺打に仕留めた。クイックも一級品だ。そして何よりハートが強い。佐々岡監督は昨年を回顧しながら「映像を見て一目ぼれしたんだから。良い(強い)心臓を持っている。気持ちの入りようが素晴らしい。本当にナイスピッチングだった」と最大級の賛辞を贈った。

 8つの勝ち星は巨人・戸郷と並んだ。だが防御率2・28、規定投球回に到達した98回2/3、奪三振104はライバルを上回る成績だ。今後、順調に中6日で登板すれば残り4試合。新人王の一つの目安である2桁勝利を視界に捉えた。

 「自分の結果次第。一試合一試合。結果を出して(新人王を)つかみ取りたい」。森下は前を見据えながら言い切った。強い思いをマウンドで表現していく。

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