【新井貴浩氏の眼】カープよ、ゲームセットまで絶対あきらめるな

 「阪神10-2広島」(15日、京セラドーム大阪)

 広島は投打とも振るわず完敗した。大瀬良大地投手(29)はチームトップの5勝目を目指して先発マウンドに上がったが、5回8安打5失点(自責点4)で今季2敗目。阪神・西勇とのエース対決に敗れた。

  ◇  ◇

 大地は立ち上がりから調子が良くない中で、サンズの打球を左足に受けた。本人は表情に出さず、その後も淡々と投げていたが、投手というのは野手と違ってすごくデリケートなだけに影響はあったと思う。さらにバックのミスなども重なり、5回でマウンドを降りることになったが、調子が悪いなりに、よく投げたという印象だ。

 打線に関しては、なかなか西攻略の糸口をつかめなかった。六回にサンズの2ランが飛び出した時点で6点差に開いた。しかし、カープナインはだれ一人あきらめてはいなかったと信じたい。

 大切なのは、どんなに点差が開いても、ゲームセットの瞬間まで絶対にあきらめないこと。長いシーズンを戦う上では、相手に「カープから1勝するのは本当に大変。なかなか楽に勝たせてくれない」という印象を与えることが重要だ。

 結果的に大差での敗戦となったが、同じ負けでも気持ちを切り替えやすい敗戦でもあると思うので、しっかりリセットして3戦目に臨んでほしい。(デイリースポーツ評論家)

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