広島・大瀬良「励みになってもらえれば」闘病の大先輩へ-開幕連続完投勝ち

 「中日1-4広島」(26日、ナゴヤドーム)

 マウンドに立ち続けるのが先発投手の理想だ。広島の大瀬良は3点リードの九回、当たり前のように白球を握った。最後は2死満塁で平田を三ゴロに打ち取る。開幕から2試合連続完投勝利を132球、8安打1失点で飾った。

 「調子が良いと思って投げていたわけじゃない。球種を使いながら芯を外した」

 三振は4個。直球とカットボールを軸にシュートやカーブを織り交ぜた。テンポ良く、打たせて取る投球。この試合前まで12球団No.1のチーム打率を誇った中日打線に的を絞らせなかった。

 開幕から2試合連続完投勝利は1984年の北別府以来、36年ぶりの快挙だ。「偉大な先輩と名前を連ねられるのはうれしい」とにっこり。続けて、成人T細胞白血病と闘う同氏に「こういう所で北別府さんの名前を出してもらって少しでも励みになってもらえるなら」と力を込めた。

 開幕前、マエケンと結んだ約束が原動力の一つ。沢村賞に輝けば時計をプレゼントすると言われた。元エースとの約束はこれが2度目。以前はスーツを贈られている。

 バットでも2試合連続で複数安打を記録し、投打で勝利に貢献した。「最後はエースとしての九回のマウンドだった」と佐々岡監督。指揮官の言葉が、大瀬良に対するチームの思いだ。

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