カープ7連勝で首位とゲーム差0 アドゥワ快投!最大7差から鯉が来た

 「阪神1-5広島」(19日、甲子園球場)

 ド本命がついに“指定席”を射程に捉えた。広島が今季2度目の7連勝で貯金を6。勝率の差で2位ながら最大7あった首位とのゲーム差は、ついに0となった。この日の殊勲者は先発・アドゥワ誠投手(20)だ。7回を4安打無失点。規定投球回数には5イニング足りないが、防御率も1・42とする安定感で2勝目を手にした。厚みを増す先発陣、覚醒した打線。勢いは増すばかりだ。

 若者が本当に、ちゃんと育ってくる。広島の強さだ。好例が、アドゥワだ。プロ3年目にして、先発に転向した。先発としての初黒星が、先月30日、同じ甲子園での阪神戦だった。

 低め、コースを「狙いすぎ」て6四球と、自滅に近い形で失点を重ねた。力不足ではなく「考え方」に問題があったと自己分析した上で、その後の投球に生かし、今月12日のDeNA戦で1失点完投勝利。そしてこの日は、7回無失点での2勝目だ。

 一回、糸原への四球など「直球にズレがあった」(磯村)と、バッテリーで感覚を共有し、序盤は変化球主体を選択。修正を確認したところで、直球を増やした。そうなれば「ボールが動いているので、低めにいけばゴロアウトが増える」(佐々岡投手コーチ)と、持ち味を存分に発揮できる。

 加えて、七回には1死から中谷の中前打を野間が後逸、三塁まで走者が進んだが、ここに大きな成長が見られた。

 「いつも味方が打ってくれるので、エラーが出たところこそ、カバーして何とかゼロで、と考えました」

 続く木浪を左飛、代打・鳥谷を捕邪飛と、後続を抑えきって、味方のミスを無失点でしのいだ。

 2016年8月12日には、松山聖陵のエースとして全国高校野球選手権大会出場も初戦敗退。今回が、甲子園で初めての勝利となったが、特別な感慨は「何もないですよ」と、アドゥワの視線は常に前を向く。

 移動日だった16日にはベンチ入り唯一の後輩である山口を焼き肉店に連れて行ったが、自身が“焼き係”を務めて山口を恐縮させた。こんなところにも、ちゃんと育っている姿が透けて見える。

 抜群の防御率も「先は長い」と意に介さない。どこまでもしっかりした20歳に、緒方監督も「いいピッチングをしてくれた。(七回の)走者を出しても切り替える姿。彼の評価につながる」と、投げるたびに信頼を高める。4連覇に不可欠な先発右腕。もはやそう言い切っていい。

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