さすがカープの4番!鈴木誠也V3ラン 逆転の一撃「連敗阻止できてよかった」
「中日2-3広島」(3日、ナゴヤドーム)
4番の一振りで勝負を決めた。広島・鈴木誠也外野手(24)が2号逆転3ラン。1点を追う七回2死一、二塁から祖父江の直球を捉え、バックスクリーンへ運んだ。昨季から続いた鬼門ナゴヤドームでの連敗は5でストップ。今季の連敗も3で止めた。
鈴木は怒りの顔つきでダイヤモンドを駆け抜け、ベンチに帰ってきた。値千金の逆転3ランも、いつもの笑顔はない。試合後も「あまり覚えていない。集中していたので」と、厳しい表情を崩さず、劇弾を振り返った。
「(野村)祐輔さんも頑張ってくれていたので。安打は出ていたけど、なかなか得点で返すことができていなかった。積極的にいこうと思っていました」
1点を追う七回2死一、二塁の好機で4打席目に立った。それまでは音無しで「イライラしていた」と言う。マウンドには前夜の好機に空振り三振を喫していた祖父江が立っていたが「相手どうこうはない。自分のスイングをすることだけを心がけていた」と失投を逃さず、バックスクリーンへ突き刺した。
今季は不動の4番として打線の核を担う。昨オフ、FA宣言した丸の動向が注目を集めていた頃、鈴木は「僕も来年25歳ですよ。年下の選手にもっと出てきてほしいですね」と覚悟を決め、チームの将来を見つめていた。
今年はキャンプから新人の小園、正随をはじめ、多くの若手が躍動した。鈴木は練習中から声をかけ、手本を見せるようにロングティーで柵越えを連発させたこともあった。
「僕から言うことはないですよ。みんないろいろ考えてやっているので。みんなに良くなってほしい」と鈴木は言った。「みんなに良くなってほしい」という言葉は、昨季限りで現役引退した新井氏がよく口にしてたフレーズでもある。丸が抜けた打線の核として、新井氏のように仲間の活躍を喜び、頼もしい4番に成長を遂げている。
緒方監督も嫌な流れを断ち切った4番を誇らしそうにたたえた。「誠也は前の打席で悔しい思いもあったと思う。一振りで、さすが4番バッター」。チームの連敗は3で止まり、昨季から続いたナゴヤドームでの連敗も5でストップした。
鈴木は「連敗が続いていたし、阻止できて良かった。シーズンは長いので一戦一戦しっかり戦っていきたい」と結んだ。まずは今季初のカード勝ち越しへ。4番のバットが4連覇への道を切り開いていく。