メヒア驚弾!CS秘密兵器じゃ 昇格即結果!高めボール球を左翼へズドン

 「広島4-3阪神」(3日、マツダスタジアム)

 広島のアレハンドロ・メヒア内野手(25)が1軍再昇格して即結果を出した。この日出場選手登録され「5番・一塁」でスタメン出場すると、0-2の五回無死一塁から高めのボール球を左翼席へ3号同点2ラン。今季ウエスタンで4冠に輝いた助っ人。シーズン残り2試合でも結果を残し続け、CS、そして日本シリーズでの秘密兵器になる。試合は今季9度目のサヨナラ勝ちを収めた。

 そのスイングに球場がどよめいた。五回無死一塁。メヒアが左翼席へ弾丸ライナーで3号2ランをたたき込んだ。はじき返したのは、カウント1-2から捕手・梅野が中腰に構え、高めに投じられた直球。ボール球でもお構いなし。パワーでねじ伏せた。

 「完璧。少し高かったけどうまく上からたたくことができた。ライナーだから入るとは思わなかったけど、よく入ってくれました」。試合前には鈴木と話し込み、メッセンジャーの球筋を再確認。その成果が出た。

 8月8日以来の1軍昇格だ。2軍降格後も決して腐ることなく自らの打撃を磨き続けた。成長曲線はとどまるどころか急激な上昇カーブを描く。9月28日に終わったウエスタンでは打率(・337)、本塁打(20)、打点(59)、出塁率(・397)でリーグトップに立ち4冠に輝いた。

 春季キャンプの時点では、バティスタよりパワーは劣るという見方が大半だった。だが、それを覆す20本塁打。技術面では「打つときの体のブレが小さくなったのが大きいかな」と自己分析した。

 さらに指導を続けてきた朝山2軍打撃コーチは、試合に出続けた経験が大きいという。「日本の野球に慣れてきて、配球とかいろいろと考えられるようになった。真っすぐを待ちながら変化球に対応する、その反対もできようになった。評価できるよ」。着実な成長を自分のことのように喜んでいる。

 この日、守備に就いた一塁は激戦区。現在はバティスタ、新井、松山、西川、曽根らがファーストミットを持ちノックを受けている。シーズンは残り2試合。首脳陣がさまざまな起用法やオプションを模索している中、結果を残し続ければCSメンバー入りが見えてくる。

 「上がってきた試合ですぐに結果が出て良かった。状態は良い。2軍でやってきたことをこのまま続けて結果を出したい。クライマックスシリーズと日本シリーズに出たいんだ」。メヒアは真っすぐに前を見据えて力を込めた。短期決戦の秘密兵器となり得る可能性は十分。そのバットで自らの道を切り開いていく。

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