大瀬良、12球団最速の10勝! チーム36年ぶり!北別府以来の快進撃

 「阪神3-5広島」(22日、甲子園球場)

 広島・大瀬良大地投手(27)が両リーグ一番乗りとなる10勝目を挙げた。最速150キロの直球を軸に多彩な変化球を駆使し、7回を3安打無失点。6月で10勝到達は広島の日本投手では1982年の北別府学以来、36年ぶり。交流戦明けのチームを白星スタートに導き、首位をガッチリとキープした。

 最後はびしっとアウトローに決めた。4点リードの七回2死から鳥谷を144キロの直球で見逃し三振。甲子園の夜風を受けた大瀬良は100球ジャストを涼しげに投げ抜いた。

 「いろんな球種を使って、狙い球を絞らせずにいい投球ができたと思います。リーグ戦が再開して最初の試合だったので、チームに勢いを付けたかった。野手にも助けられながら、しっかり試合を作ることができました」

 まさに大黒柱の働きだ。最速150キロの直球を軸にカットボールやフォーク、カーブなどで猛虎打線をほんろう。初めて走者を許した二回は鳥谷を二ゴロ併殺。三回は連打で2死一、二塁のピンチを背負ったが、北條を143キロ直球で二ゴロに打ち取った。7回3安打無失点。ストライクゾーンで強気に攻め、両リーグ最速の10勝目。6月で10勝到達は広島の日本投手では1982年の北別府以来、36年ぶりの快挙ともなった。

 前回・15日ソフトバンク戦(ヤフオク)は今季最短の4回7失点でまさかのKO。会沢の好リードに導かれ、1週間で本来の姿を取り戻した。試合後は「前回の反省を生かしながら投げることができました」と納得顔だ。

 チームでもローテの軸になりつつあるが、大瀬良家では三兄弟の頼もしい長男。三男・優人君は九州共立大のピッチャーで「いい真っすぐを投げるんですよ」と兄はうれしそうに話す。文武両道の厳しさを知るからこそ、最初は進学に反対したが「兄と同じ道に進みたい」という熱意に押された。現在3年の弟もプロ入りが夢。その背中を後押ししながら「良いところを見せないと」と燃えている。

 「ナイスピッチング。いい真っすぐ、力のある真っすぐを投げきれていた。カーブやフォークもしっかりコントロールできていた」

 試合後の緒方監督も手放しでたたえた。これで交流戦明けの初戦は2014年から5連勝だ。指揮官は「1つ勝ったからどうこうはない。続けていくことが大事」と力を込めた。リーグ3連覇へ。先発ローテの中心には、たくましさを増した大瀬良がいる。

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