「ヤクルト４－５広島」（５日、神宮球場）

　キクマルの一発で連敗阻止だ！広島・丸佳浩外野手（２８）が五回に先制の３号３ラン、九回には菊池涼介内野手（２８）が１号ソロを放った。前夜で開幕からの連勝が４で止まったが、これで２カード連続の勝ち越しだ。６日からは本拠地でのＤｅＮＡ戦。この勢いに乗って、昨年のＣＳファイナルＳで敗れた相手をねじ伏せる。

　前夜の敗戦を引きずらず、すぐさま勢いを持ち直した。四回まで両軍０行進の中、均衡を破ったのは丸だ。五回２死一、三塁。館山の初球、内寄りの直球を一振りで仕留めた。高々と舞い上がった打球は左中間スタンドに着弾。鯉党が歓喜に沸く中、悠然とダイヤモンドを一周した。

　「チャンスだったので積極的にセンター返しを心掛けて打席に入った。しっかりと自分のスイングができました。感触も良かったです。ランナーを掃除できて良かったね」

　開幕から好調な丸は死球を受けた前夜に続き、この日も厳しい内角攻めに遭った。それでも「打つべき球を整理して打席に入っている。体を開かず？そこだけを意識して」と冷静だった。九回も内角球を中前にはじき返すなどして、打率は・４１２。すきのない打撃を、リーグＭＶＰとなった昨季から維持し続けている。

　菊池も躍動した。１点リードの七回に左前打で出塁。続く丸が申告敬遠、エルドレッドと松山が四球を選び、押し出しで貴重な追加点につながった。２点リードの九回には、先頭で風張から右翼スタンドへ１号ソロを放ち、大きな１点をもぎ取った。

　鈴木、新井が故障で不在の中、打つべき主力がきっちりけん引。頼もしい姿を示す。チームの連敗を阻止しただけに、丸も「負けの次の試合が大事とチーム全体に浸透している」とうなずく。緒方監督は「初球をしっかり打った丸はすごいし、１、２、３番のタナキクマルがね。キクの追加点が大きかった。１点１点を取れたのは大きかった」とたたえた。

　６日からは本拠地に戻り、昨季１２勝１３敗と唯一負け越し、なおかつＣＳファイナルＳで土をつけられたＤｅＮＡと今季初めて相対する。「何とかリベンジできるようにしたい」とこの日のヒーローとなった丸は力を込めた。３連覇、日本一を果たすために初戦から是が非でもたたいておきたい相手。積極果敢に猛進していく。