鈴木誠也、快音締め 攻守不安なし!開幕「4番・右翼」

 「広島4-2ソフトバンク」(25日、マツダスタジアム)

 右くるぶし骨折からの復活を目指す広島・鈴木誠也外野手(23)が、開幕スタメン出場への準備を整えた。ソフトバンクとのオープン戦最終戦に「4番・右翼」で出場。負傷後初のフル出場とはいかなかったが、2四球を選び2打数1安打と順調な調整ぶりを見せた。3連覇に欠かせぬ若き主砲が、開幕戦から打線の軸にどっしりと座る。

 頼もしい男が3・30マツダスタジアムに立つメドが立った。昨年8月23日・DeNA戦での負傷から約7カ月。慎重に復帰過程を歩んできた鈴木の開幕戦出場が可能となった。試合後ベンチ裏に引き揚げてくると、丁寧に言葉を並べた。

 「正直開幕に間に合うとは思わなかった。ケガの状態に合わせて監督やスタッフの方に気を使ってもらいながらやっていたので、ここまでいい状態で開幕を迎えられそう。感謝したいです」

 この日はサファテから右前打を放つなど2打数1安打で、4度の守備機会も難なくこなした。八回に代走を送られ負傷後初のフル出場はならなかったが、不安はない。「八回まで出たら九回も変わらない」とうなずき、高ヘッドコーチも「フルイニングみたいなもの。問題ない」とOKサインを出した。

 特に守備、走塁面では春季キャンプから焦らず、じっくりと歩んできた。キャンプ中から代打で実戦出場はしていたが、実戦での守備復帰は10日のヤクルト戦から。徐々に出場イニング数も増やしてきた。

 前日まで2日間ヤフオクドームで行われたソフトバンク戦では、いずれも6イニング以上出場。天然芝よりも足に負担が掛かると言われる人工芝で、長いイニングをこなせたことも収穫となった。開幕戦へ、「ある程度できる範囲まで来たんじゃないかと思う」と一定の手応えも持つ。

 打撃面ではオープン戦で32打数11安打、打率・344、3本塁打。限られた打席数で圧倒的存在感を示してきた。それでも「まだまだ」と満足はない。「いろいろ試しながらやっていく」と、より高みを目指し感覚を研ぎ澄ませていくつもりだ。

 開幕戦は4番を任されることが濃厚。チーム史上初の3連覇、34年ぶりの日本一を目指すシーズンへ向け「気を抜かず、開幕だからと言って上げるのではなく、143試合をしっかり考えて開幕を迎えたい」と気を引き締め直した背番号51。残り期間で入念に牙を研ぎ、完全復活を果たす。

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