新井 サード守る!安部抹消で緊急事態 3年ぶりでも心配無用

 広島・新井貴浩内野手(40)が27日、安部友裕内野手(28)の離脱を受け、緊急事態になった場合には三塁の守備に就く構えを見せた。今季チームで最も多く三塁で出場し、リーグ4位の打率・310をマークしていた安部が26日に「右ふくらはぎ打撲箇所の血腫切除」で出場選手登録を抹消。西川や小窪、メヒアらが三塁手の代役候補に挙がる中、40歳のベテランもチームの危機に一役買う覚悟だ。

 CS、日本シリーズに向けて、再びナインが結束を強くする時が訪れた。前日26日に安部が「右ふくらはぎ打撲箇所の血腫切除」のため出場選手登録を抹消。チームに衝撃が走ってから一夜明け、最年長の新井が口を開いた。

 「まだ(CSに)間に合わないかどうか、分からないでしょ。いつも通り選手みんなでカバーしていきたい」

 安部の心境を思いやりながら、ベテランはチーム一丸の重要性を説いた。今季はこれまで何度もアクシデントに見舞われてきた。開幕直後にはエースのジョンソン、守護神の中崎が相次いで離脱、8月には4番・鈴木が負傷離脱を余儀なくされた。だがそのたび、チーム全員で危機を乗り越え、2年連続でペナントをつかみ取った。今回も同様だ。安部の早期復帰を願いつつ、シーズン残り3試合を戦い、ポストシーズンに備えていく。

 三塁の代役には西川、小窪、メヒアらが候補に挙がる。新井が三塁に就く可能性は低いが、それでも緊急事態に備える。三塁を守ることになれば、阪神時代の14年最終戦10月1日・広島戦(マツダ)が最後で、広島復帰後は一度も守っていない。報道陣から3年ぶりとなる三塁出場の可能性を聞かれると、くすりと笑った。

 「本当に緊急というか、何があるか分からないからね。一応そういう準備はするよ」

 日頃から準備に余念はない。20日にマツダスタジアムで行われた全体練習では三塁でノックを受け、ハッスル。「あれは足をしっかり動かして捕って、足で投げる。足を使うということ」。三塁は慣れ親しんだ場所だ。決してこうした事態を想定していたわけではないというが、軽快なグラブさばきや、一塁送球は健在だ。

 この日は雨天のため午後2時に試合中止が決定。室内練習場ではフリー打撃などで汗を流し、練習の合間に緒方監督と談笑する場面もあった。今季は「行けと言われたところで行く。そのためにいい準備をする」と繰り返してきた新井。万が一、鯉将から三塁を告げられたとしても問題なし。顔色一つ変えず、サードまで走るだけだ。

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