広島逆転M1 虎負け胴上げ待てどお預け…26年ぶり本拠地胴上げ今度こそ

 「広島5-4DeNA」(14日、マツダスタジアム)

 今季41度目の逆転勝ちで広島がDeNAを撃破して、ついに優勝マジックは1。16日のヤクルト戦に勝つか引き分け、負けても2位・阪神が同日の中日戦に負けるか引き分けるかで球団37年ぶりのリーグ連覇が決まる。ゴールテープは目前。26年ぶりの本拠地胴上げに向け、緒方鯉が突き進む。

 一瞬のため息の後、今季最多の観客をのみ込んだマツダスタジアムが大きな拍手に包まれた。試合後。大型ビジョンに甲子園での阪神-巨人戦が映し出される。2-2の延長十二回。巨人が無得点に終わり、阪神の負けがなくなった。リーグ連覇達成はお預け。それでも再びグラウンドに出た緒方監督の表情は晴れやかだった。

 「すごい試合だった。一度はひっくり返された中で選手たちがよく頑張った。ピンチの連続でも最後の力を振り絞ってね。やることはやった」。チームの底力を示す今季41度目の逆転勝利に、指揮官はナインを称える言葉を並べた。

 大一番でも普段着野球を貫いた。0-0の二回。松山が右中間席へ先制の13号ソロ。さらに新井が左中間突破の二塁打を放って続くと、バティスタの左前適時打で2点目を奪った。4-4の八回にはバティスタの右犠飛で決勝点をもぎ取った。

 投手陣もピンチの連続を耐え抜いた。4-4の八回。無死満塁のピンチを招いた今村が無失点。5-4の九回で出番が来た中崎は1死一、二塁を併殺打で試合を締めた。先発投手の完投は4度。チームを支え続けてきた救援陣の粘投が頼もしかった。

 優勝マジック2でこの日を迎えた。37年ぶりのリーグ連覇を目前に、球場はこれまでにない独特な雰囲気に包まれた。ビールかけ会場の設営が進み、選手出入り口の廊下は、赤いカーペットが敷かれた。右足首を骨折して離脱した鈴木や胃がんからの復帰を目指す赤松、選手会長の小窪らも駆けつけた。だが、浮かれることなくグラウンドに立ち、緒方監督は「今年のウチの戦いをやってくれた」と目尻を下げた。

 優勝マジックは1。16日のヤクルト戦で勝つか引き分けるかで、26年ぶりに本拠地での優勝が決まる。「勝てば自動的に決まる。あさってのヤクルト戦に向けて準備をしたい」。緒方監督は力を込めた。真っ赤に染まる地元で、栄冠を自分たちの手でつかみ取ろう。

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