岩本が勝負にケリつけた!今季初打席でダメ押し走者一掃二塁打

 「広島5-1DeNA」(12日、マツダスタジアム)

 広島の岩本貴裕外野手が(31)が今季初打席で走者一掃の二塁打を放った。2-1の七回2死満塁で左中間を真っ二つ。相手の中継が乱れる間に本塁へ突入し、最後はジャンプして捕手・高城をかわそうとしたがタッチアウト。それでも勝利を呼びこむ一撃で場内を沸かせた。チームは52勝29敗2分けの貯金23で前半戦を終了。2位・阪神に8ゲーム差をつけ、昨年に続き首位で折り返した。

 182センチ、96キロの巨体が宙に浮かんだ。捕手・高城を目の前にした岩本は、とっさに地面を強く蹴った。「必死で…ジャンプしました。アウトとかセーフとかは関係なくて、とにかく一生懸命にプレーしたんです」。膝が高城の顔を直撃し、ヘルメットも飛ぶ。判定はアウトになったものの、勝利への執念に球場が沸いた。

 2-1の七回2死満塁で、今季初打席が巡ってきた。外角球を逆らわずに左方向へ。打球は左中間を破り、相手の中継プレーが乱れて三塁ファウルゾーンに転がる間に、一気に本塁を狙った。返球は一足早くミットへ。行き場を失った背番号「10」に残された手段は、飛ぶことしかなかった。

 4月のメジャーリーグでは、走者が捕手を飛び越えて本塁を踏んだ“神走塁”が話題になった。「ああいうプレーは、考えてできるものではないです」と苦笑い。続けて「僕はとにかく必死なので」と汗をぬぐった。

 9日、薮田に代わって出場選手登録された。若手の台頭により2軍でも出場機会が限られる中、打撃内容と結果を残して昇格を勝ち取った。ウエスタン・リーグでは三振減をテーマに設定。この日は2球続けて空振り。追い込まれた状況からの3点二塁打だ。取り組みの成果を1打席で示した。

 1軍で活躍する姿を見せたい人がいる。1月に他界した祖父だ。野球を始めた幼少期のキャッチボール相手。広島商で甲子園に出場した時、最も喜んでくれた存在だった。天国に旅立つ瞬間に立ち会い、涙が止まらなかった。「喜んでもらえるようなプレーをする」。今季に懸ける思いをさらに強くした。

 ガンちゃんの一振りでリードを広げ、DeNAに快勝。リーグ連覇を狙うチームは、52勝29敗2分けの貯金23の首位。独走態勢を整える中で前半戦を折り返した。「僕はピッチャーに代わって1軍にいるので。1打席を大事にしていかないといけないし、こういう打撃を継続していきたい」。9年目の31歳。1球も無駄にはできない。必死に食らいつき、自らの道を切り開いていく。

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