新井4番争い歓迎!誠也よ、松山よ「かかってこい」

 広島・新井貴浩内野手(39)が2日(日本時間3日)、優勝旅行先のハワイで来季の4番像について熱く持論を語った。40歳で迎えるシーズン。リーグ連覇、日本一へ「自分も負けない」とした上で、4番候補に挙がる松山、鈴木らに「かかってこい」と、チームの底上げになる競争を歓迎した。なによりカープの将来を思いながら、プロ19年目に向けて準備を進める。2面にもカープ記事

 南国ではしゃぐ後輩たちを横目に、新井は笑みを浮かべていた。「いまの子を見ていたら、大丈夫だなって思うよ」。このV戦士たちなら5年、10年後…愛するカープを託せる。「まだ負けない」-の思いと、「打ってくれ」-という願い。相反する気持ちを胸に、激しい競争を歓迎している。

 「プロ野球選手として、試合に出続けたい気持ちが半分。若い子に出てきてほしいという思いが半分ある」

 偽らざる本音だった。緒方監督は来季の打順構想について白紙を強調。4番候補にはエルドレッドや松山、鈴木らも挙がる。今季の先発4番は新井の67試合が最多。退団が決まったルナが59試合で続き、15試合の松山、2試合のエルドレッド。新井は最年長でセ・リーグMVPを受賞するなど、来季も4番の最有力候補に挙がる。

 プロ19年目、40歳で迎える来シーズン。もちろんプロ野球選手としての意地はあるが、広島の将来を考えた時、その自我は消える。「松ちゃんや誠也が結果を出せば、カープにとってはすごくいいこと。4番を打ってみろ、と思う」。求めるのは激しい競争、そしてチームを背負う自覚。素質を感じるからこそ簡単に譲るつもりはないし、言葉は熱を帯びる。

 「かかってこい、という気持ちはある。打ってくれよ、という気持ちもある。台頭してくれたらうれしくて、『あとは任せた』と言えるので。本当に頑張ってほしいと思うね」

 この期間は「ゆっくり、のんびりしたい」と終日、体を休めて今季の疲れを癒やす。ただ、既にトレーニングは再開。その上で、初めて体験する優勝旅行で来季のリーグ連覇、33年ぶり日本一の思いを強くする。「カープの良さは団結力。旅行で団結力を強めたいです」。チーム最年長。体を休めていても、気持ちは野球に向いた。

 「厳しい戦いになる」。他球団は一斉に打倒・広島を誓う。新井は背中で、バットでチームを引っ張るつもりだ。「これからのチームにいいものを、と。力になりたいという思いは変わらない。ファンの方は期待してくれている。責任があるから」。追い付き、追い越してほしい。常勝カープを作るために、来季も身を粉にして戦う。

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