カープどど~んと広島市に5億円寄付 マエケンの譲渡金を一部還元

 広島は21日、5億円を広島市に寄付すると発表した。4億円は少年野球などのスポーツ広場の整備に、1億円は原爆ドームの修復、保全費用に充てられる。昨季まで広島でプレーした前田健太投手が、ポスティングシステムで米大リーグ・ドジャースに移籍した際に得た譲渡金の一部を地元に還元した。

 球団創設時から共に歩んできた歴史がある。カープにとって、広島の街は何よりも大切な存在だ。地域文化の継承と活性化のために-。地元密着をいつも忘れない球団だからこそできた5億円の寄付だ。

 「球団は地域と共にあるし、それはとても重要なこと。(広島市は)いろいろな形で(球団発展のために)手助けや援助をしてくれた。お世話になっている街に恩返しがしたかった」と松田オーナーは熱く語った。

 昨季まで在籍した前田が、ポスティングシステムで米大リーグ・ドジャースに移籍した。その際、球団には23億6000万円(契約時のレート)の譲渡金が入った。一部は現在改修中の山口・由宇練習場や12月上旬に完成予定のグッズ専用倉庫などの設備投資に使われ、その他の一部が今回の寄付金に充てられた。今年2月には、キャンプを張る宮崎県日南市と沖縄県沖縄市に1億円ずつを寄付しており、自治体では3例目になった。

 5億円のうち4億円は、少年野球やソフトボールができるスポーツ広場の整備に、1億円は原爆ドームの修復、保全費用に充てられる。スポーツ環境の整備について松田オーナーは「ソフトボールが盛んな街は野球が盛ん。その中から将来、プロ野球選手になりたいと思う選手が出てきてくれたら」と野球界のさらなる発展に期待を寄せた。

 また、世界遺産の保存については「(原爆被害は)球団ができるきっかけでもある。先人の情熱をつないでいきたいし、そこに対する気持ちは、いつまでも持っておきたい」と、市民球団としての思いを口にした。

 25年ぶりのリーグ制覇を達成した今季、球団史上最多となる215万7331人の観客を動員した。初優勝した75年以来、41年ぶり2度目となった5日の優勝パレードでは、沿道に31万3000人が集まり、ヒーローたちを祝福した。広島の街とひとつになり、歓喜に沸いた1年。地元に愛され、誇りと思われる地域密着球団として、カープはこれからもあり続ける。

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