エルドレッド満点3ラン 苦手・今永を粉砕!

 「セCSファイナル・第4戦、広島8-7DeNA」(15日、マツダスタジアム)

 分厚い胸板を揺らして、広島・エルドレッドがゆっくりと本塁を踏んだ。2点を奪い、さらに1死一、二塁で迎えた初回の打席。初球から積極的に行くと決めていた。太く長いリーチの助っ人だからこそ届く外角のボール球を、自慢のパワーで右翼席に運んだ。

 「積極的に行こうと思っていた。打てる球を、しっかり捉えられた。手応えは十分だったね」

 レギュラーシーズンでチームが今永に手こずったように、長距離砲も10打数1安打と苦手にした。試合前、石井打撃コーチから「インパクトのある打撃を見せてくれ」と送り出されたという。「100点」と同コーチ。一振りで流れを変える魅力を、大一番で見せつけた。

 5月27日。オバマ米大統領が現職大統領としては初めて、被爆地・広島を訪問した。歴史的な一日を、米国人として「過去にさまざまな出来事があったが、今は共に平和を目指している。素晴らしいこと」と振り返る。

 自身は来日5年目。今では行きつけの飲食店ができ、長女は市内の小学校に通う。カープは戦後復興を目指した県民、市民の希望であったと同時に、今も誇りであることを理解する。

 32年ぶりの日本一を目指す戦いへ「次も良い打撃がしたい」。広島を、そしてチームを愛する男が、大きな歓喜をもたらすために打席に向かう。

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