黒田「悔しい」筒香から3K熱投実らず…それでも巨人負けて6・5差のまま

 「DeNA2-1広島」(13日、横浜スタジアム)

 広島が延長十回、今季5度目のサヨナラ負けだ。先発の黒田博樹投手(41)が、7回を8安打1失点の粘投。35本塁打の4番・筒香から3三振を奪うなど、気迫の投球でナインを鼓舞した。延長戦は今季14試合目で7勝6敗1分け。ただ、2位・巨人も敗れてゲーム差は変わらず6・5。切り替えてカード勝ち越しを狙う。

 今季14度目の延長に突入した一戦は、無念のサヨナラ負け。試合後、バスへ続く長い通路。前を向いて歩く黒田は、届かなかった勝利を悔いた。7回を8安打1失点。同点のまま降板となったが、マウンドではナインを必死に鼓舞した。

 「ここまできたら自分の成績どうこうじゃない。チームを勝たせたかった。それができなかったのが悔しい」

 1球、1勝の重みが増す終盤戦。最後はバットすら振らせなかった。六回1死一、三塁。打撃主要3部門で5傑に入る筒香に、真っ向勝負で挑んだ。フルカウントから6球目。最後は外角のボールゾーンから、入ってくるスライダー「バックドア」で見逃し三振に斬った。続くロペスは最速149キロで遊ゴロに。ピンチを脱した。

 初回、2死一塁での筒香との対戦。初球、梶谷は二盗を決めた。走るなら走れ-と、4番との対戦に全力集中。1-1から、内角高めのカットボールでファウルを取ると、4球目は同じコースの低めに、ツーシーム「フロントドア」を投げ込み空振り三振を奪った。四回も同球で見逃し三振に。強打者を完全に封じた。

 シーズン残り34試合。広島で初めて経験する優勝に刻一刻と近づいている。接戦が続く終盤戦。20年目のベテランは「個人的に重圧のない登板は経験がない」という。米大リーグヤンキース移籍2年目の13年シーズン。首、肩に痛みを抱える中、けん制で一塁に向けないほど深刻だった。

 それでも11勝で、200イニング到達。意地だった。「日本人がナメられてたまるか、と。その気持ちでマウンドに上がった。そういう日って意外と好投できたりするんよ」。常に逆境と闘ってきた。共に広島に戻った新井と2人、ベテランが快進撃を支えている。

 先発での日米通算200勝は次戦以降にお預けとなった。ただ、筒香相手に3奪三振。3併殺に熟練の技が凝縮された。「石原のリード通りに投げたら、いい結果になった」。好結果も敗戦に声は沈む。それでも107球の熱投は、ナインの心に響くはずだ。マジックは最短で17日に点灯する。25年ぶりの悲願へ前だけを向いて戦う。

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