7月も「神ってる」鈴木誠也が藤浪撃ちV打!対虎5連勝で2位に再び10差

 「阪神2-8広島」(8日、甲子園球場)

 「神ってる」再び-。広島の鈴木誠也外野手(21)が同級生の藤浪を粉砕した。初回、2死満塁から左前に2点適時打。阪神の若きエースの出ばなをくじく一打で、チームを勝利に導いた。聖地甲子園では今季28打数10安打(打率・357)、5打点。好調続く21歳の活躍で、緒方鯉は再び今季最多タイの貯金17。2位DeNAとの差も10に広がった。

 試合後の緒方監督は開口一番、「神ってる」男の一打を称賛した。敵地甲子園での先制&決勝打。傾きかけた流れを引き戻したのは、またも鈴木のバットだった。「雲の上の存在」という同学年、藤浪をKOするマルチ安打。指揮官は言った。

 「きょうは誠也でしょう。あそこでモノにできなかったら、試合展開はどうなるか分からなかった。あの一打がすごく大きかった」

 ヨーイドンで決めた先制攻撃。大技、小技を絡めた序盤の5得点。口火を切ったのは鈴木だ。初回、田中が四球後、菊池が左翼線二塁打でつなぎ、無死二、三塁の好機を作る。だが、丸が空振り三振。ルナの四球後、松山も空振り三振に倒れ、流れを失いかけた。

 1ボールから2球目。鈴木は外角低めの153キロを狙った。「追い込まれる前が勝負。振りまけないように思い切って」。鋭い打球は瞬く間に三遊間を抜けて、二走の菊池も一気にホームへ。この一打で2点を奪うと、さらに一、三塁から重盗で加点。隙を突く足攻めを絡め、初回に3点を奪った。

 大谷、藤浪と同じく1994年世代。2安打2打点の活躍にも「(投手に)悪条件もあったので。雲の上の存在に変わりはない」と言う。六回は内角の149キロを打って左翼線二塁打で出塁。内角球の対応が成長を支える。「誠也に期待するのはレギュラーじゃない。日本一の打者になってほしいんだ」とは東出打撃コーチ。二人三脚で取り組んできた。

 「左腕を使わない使い方を覚え始めた。左腕でリードするのではなく、バットが体の中心から離れないから球を長く見られる。低めのボールを振らない」

 チームは7安打で8得点。阪神戦は4年ぶりの5連勝で、9カード連続の初戦勝利だ。貯金は今季最多タイの17。2位・DeNAとの差は再び10に広がった。「一戦一戦、勝ちたいという気持ちがいい結果につながっている。チームに貢献できてうれしい」と鈴木。試合前に口にしたのは5連勝での前半戦ターン。誓いは現実味を帯びてきた。

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