完封の黒田 試合後の一問一答
「広島3-0巨人」(2日、マツダスタジアム)
広島の黒田博樹投手(41)が、今季2度目の登板で、巨人打線を4安打無得点に封じ、日本では2007年6月3日の楽天戦(仙台)以来、実に9年ぶりの完封勝利をマークした。40歳以上の完封勝利は、プロ野球史上8人目の快挙。また黒田は巨人戦通算22勝目で、自身のカード別勝利では、阪神戦と並んで最多タイとなった。
先制打の田中と共にお立ち台に上がった黒田は、ファンの大歓声に迎えられた。一問一答は以下の通り。
(お立ち台で)
-ファンの歓声をどんな思いで受け止めているか。
「最高の雰囲気の中で最高の結果が出てよかったと思います」
-復帰後初の完封勝利。
「味方のいい守備がありましたし、石原のリードもあったんで、何とか最後まで投げることができたと思います」
-九回までゼロを並べた。
「やっぱりしんどいですね」
-充実感は。
「ずっとリリーフが連戦で投げていたんでね、一人でも多く投げたいなと思っていたんで、それが結果としてこうなってよかったと思います」
-八回無死一、二塁のピンチを背負った。
「一つずついくしかないと思っていましたし、ゲッツーの時(1死一、二塁で片岡を二ゴロ併殺打)も石原がいいリードしてくれて、狙い通りゲッツーが取れたと思います」
-九回にマウンドに上がる時に大歓声が上がった。
「本当に力になっています」
-今季の意気込みを。
「目の前の試合を一戦一戦、精いっぱい戦っていくだけだと思いますし、その結果が最後、一番上にいればいいかなと思います」
(囲み取材で)
-迷いなく九回のマウンドに向かった。
「迷いましたよ(笑)。でも一人でも投げようと。結果的に最後までいけてよかった。6連戦なのでリリーフも結構、疲れている。志願?そうです。コーチからいけというのは、このご時世、あまりないでしょう」
-26日のDeNA戦は7回9安打1失点。前回との違いは。
「フォームが安定してきたので。あとは怖がらずにインサイドを突けていけた。それが最後まで利いたのかな、と思います」
-左打者の内を突くカットボールが効果的だった。
「そうですね。打者は当ててもファウルになる。それでカウントを稼ぐことができた」
-変化球が多かった。
「ただ、スタイルは日々変わる。自分のスタイルを貫いても、勝たないと意味がないので」
-初回、2死二塁を乗り越えられたのが大きかった。
「その前に坂本に、抜けたフォークを打たれた(二塁打)のが反省。シングルならよかったが、あそこをツーベースにしてしまった。初球の入りが甘かった」
-八、九回は球威が落ちたように見えた。
「多少、あると思います。41歳ですからね(笑)。いろいろ経験しているので、その中でできました。喜びよりもホッとする方が先。完封、完投よりもチームが勝ったことがよかったですね。リリーフも温存できたので」
-完封と完投で違いはあるのか。
「完封にこだわりは、そこまでない。点を取られないにこしたことはないが、一人でも多く先発投手が完投すれば、リリーフも回しやすくなる。いける時はいきたい。無理できる年齢じゃないので、考えながらですね」
-若い投手にも参考になる投球だった。
「まだまだ、若くていい投手がたくさんいる。七回、八回、で終わるのではなくてね。いける時は最後までいくんだと、そういう気持ちがあれば、普段の練習から変わってくると思うので」
-巨人戦の完封勝利は格別。
「1敗しかしてないチームなので。打線も1人、1人、力のある打者がそろっているので。そういうチームに勝てたのは、よかったと思いますね」