ドラ6オスカル 12球団新人最速白星

 「広島6-3DeNA」(27日、マツダスタジアム)

 広島のドラフト6位・仲尾次オスカル投手(25)=ホンダ=が、12球団新人最速となるプロ初勝利を挙げた。球速は自己最速となる147キロをマーク。七回の1イニングを1安打無失点に抑え、その裏、打線が勝ち越しを決めて白星が転がり込んだ。チームは昨季、8年ぶりに負け越したDeNA相手に連勝し、開幕カード勝ち越しスタートとなった。

 3万人超の大観衆を前に、オスカルはお立ち台に上がった。12球団新人最速となるプロ初勝利。「初めてマツダスタジアムで勝つことができて、本当に最高です」。試合終了直後には表情を変えなかったオスカルに、笑みがこぼれた。

 球速は自己最速147キロをマーク。度胸満点の投球で勝利をつかみ取った。七回、同点の場面で登板。「ゼロに抑えれば勝ちにつながると思い投げました」。先頭の柴田を内角ツーシームで打ち取って1死。続く戸柱には左前打を許し、勝ち越しの走者を背負った。

 1点も許せない緊迫した中でも、強心臓を持つ左腕の気持ちは揺るがない。沖縄キャンプで習得したツーシームを武器に、強気に攻めた。フルカウントからの6球目、宮崎を外へのツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めた。するとその裏、打線が勝ち越し、白星が転がり込んできた。

 「初勝利は本当にうれしい。中継ぎなのでこんなに早く勝てるとは思っていなかった」。2度目の登板で手にしたウイニングボールを見つめ「部屋に飾って、大事にします」と、ズボンのポケットにしまった。

 原点は、父・嗣光さん(72)とのキャッチボールだ。5歳から野球を始めたという左腕。3年ぶりにブラジルの実家に帰った昨年12月にもキャッチボールを行った。「お父さんから、手投げをしないように、体でボールをコントロールしなさい。同じフォームで投げることが大切」とずっと指導を受けてきた。

 プロ初登板(25日)の後、ブラジルで暮らす家族にメールを送った。「今回も、いい報告ができる。電話で連絡したい」。異国で暮らす家族へ直接喜びを伝える。

 父が40年ぶりに日本へ戻る計画は着々と進んでいる。現在、家族はパスポート申請中で、発行され次第、広島へ招待するつもりだ。間もなく最愛の家族がやって来る。

 頼もしい救世主の誕生で、開幕カードの勝ち越しに成功。28日には25歳の誕生日を迎える。自身にとってもチームにとっても最高のプレゼントになった。

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