ドラ6オスカル開幕1軍へ!対左使える

 「オープン戦、広島1-1西武」(5日、マツダスタジアム)

 広島のドラフト6位・仲尾次オスカル投手(24)=ホンダ=が開幕1軍を視界に捉えた。西武とのオープン戦で六回に登板。森、中村の3、4番を仕留め、1回を無安打無失点に抑えた。これで対外試合は4戦連続無失点。現在、1軍の中継ぎ左腕はオスカルただ一人で、緒方孝市監督(47)は「使えるし、使いたい」と救世主としての役割を期待した。

 緊急のテスト登板でも、オスカルは動じなかった。森、中村と強打者が続く西武打線を、わずか10球で簡単に料理。新球のツーシームに、カットボールが生きた。直球の最速は145キロ。ルーキー左腕が救世主として、地位を確立しつつある。

 急な出番は六回に巡った。福井が五回を投げ終えた時点で次は木村昇、森と左が続く打順。当初は中崎の登板予定だったが、首脳陣はオスカルに“対左テスト”を用意。急きょ登板を命じた。本拠地初登板。緊張しても不思議ではないが、新人左腕は「スタンドが真っ赤だな」と動じることはなかった。

 「応援がすごかったですね。緊張は全くない。すごく投げやすかったです。左打者は絶対に抑えないと、と思っていましたから」

 まず先頭の木村昇を内角高め145キロの直球で二飛に。続く森は初球、外角低めのカットボールで芯を外し、左飛に抑えた。4球で役目を果たしたが、ベンチは続く4番・中村を前に続投を決断。オスカルは期待に応え、通算6度の本塁打王を内角のカットボールで遊飛に斬って取った。

 対外試合は4試合計5回を無失点。前回2日の中日戦(刈谷)でも、1回をわずか7球で三者凡退に締めた。緒方監督は「使えるし、使いたい」と絶賛し「左投手は欲しい所。面白い存在だし、期待している」と続けた。

 ドラフト6位と下位指名だが、プロ入り後は急成長を遂げている。キャンプ終盤に「芯を外す球が欲しい」と、ツーシームの習得に挑戦。前回の中日戦で初めて投げ、遠藤を内角球で二ゴロに抑えた。この日は中村に対して2球投げ、いずれもストライクを奪って追い込んだ。最終的にはカットボールで仕留めたが「ツーシームのおかげです」と笑った。

 貴重な中継ぎ左腕として、開幕1軍を手中に収めつつあるオスカル。「監督が言われたポジションで思い切り投げたい。頑張ります」。大観衆にも動じぬ心と、内を突く強気の投球が武器。25年ぶりの頂点へ、新人左腕が貴重な役割を担う。

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