黒田“原点の地”9年ぶりの日南入り

 「広島春季キャンプ」(15日、日南)

 広島・黒田博樹投手(41)が15日、キャンプ地の宮崎県日南市に入った。実に9年ぶりとなる“原点の地”に着くと早速、天福球場で休日返上練習。最長80メートルの距離でキャッチボールを行うなど精力的に汗を流した。きょう16日からの日南最終クールでは、天候次第でブルペンにも入る予定。チーム最年長右腕が20度目の開幕へ歩みを進める。

 車窓から懐かしの風景を眺めた。宮崎空港からキャンプ地の日南市まで約1時間、海岸沿いの国道220号を走る。「変わってないな」。黒田は古い記憶をゆっくりたどった。実に9年ぶりとなった原点の地。到着するとすぐに、天福球場で汗を流した。

 日南はメジャー移籍する前年の2007年まで、春、秋のキャンプを過ごした場所。「久しぶりの感じがしない」球場に着くと、脳裏を思い出が駆け巡った。昨年は沖縄からの合流。主な理由は開幕が昨年より2日早まるためだが、原点から再スタートの思いは強い。

 「特に若いころはハードで、走ってばっかりの練習。投げ込みもしっかりとしてきた。そういう意味で思い入れは、沖縄よりも強いかもしれないですね」

 自宅のあるロサンゼルスから、空路で13日に広島到着。14日はマツダで体を動かした。この日のキャッチボールでは最長80メートルの距離で73球。有酸素運動も含めて1時間、じっくり汗を流した。天候次第だが、16日にもブルペン入りする予定。「寒くない限りは入りたい。あとは状態を見てです」と続けた。

 空港では100人近くのファンが出迎え、練習終了を待った75人のサインに応じた。「お帰りなさい」「頑張って」の声が温かく響く。「ずっとここでキャンプを過ごしていたので。少しの間ですけど来られて良かったですね」。郷愁の風に揺られながら、レジェンドは白い歯を見せた。

 10日に41歳の誕生日を迎えた。自主トレからカーブの完全習得、新しい変化球習得にも挑戦中。「手応えはないです」と笑いながらも、いまなお進化の道を探る。「トライはするけど、どこかで捨てないといけない時期もくる。それはどこかで見極めていかないと」。開幕へ向けて試行錯誤を続けていく。

 今後は18日の練習後に沖縄へ移動。フリー&シート打撃登板を経て、3月上旬にもオープン戦に登板する。「本当に1試合1試合を、その試合が最後のつもりで、準備してマウンドに上がりたいですね」と黒田。あと7勝の日米通算200勝は通過点。25年ぶりの頂点を信じて、原点の地から再び歩みを進める。

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