松山アピール打!新井、エルドに挑戦状

 「広島紅白戦、白組1-0紅組」(19日、天福球場)

 広島の松山竜平外野手(30)が19日、宮崎県日南市で行われている秋季キャンプの紅白戦で輝いた。サヨナラ適時打を放つなど3安打1打点をマークした。打撃力はチーム屈指の存在だ。レギュラーをつかむためには新井やエルドレッドがライバルとなるが、結果を残し続けて、その座を奪い取る!

 主役は松山だった。日南の青空に向かって、両手を高々と突き上げる。五回無死一、三塁。打球が右翼手・鈴木誠の頭上を軽々と越えた。

 「僕が打たないと後ろの打者にプレッシャーがかかる。打点にこだわっているし、よかった」

 首脳陣に勝負強さを印象づけるには、これ以上ないサヨナラ適時打を決めた。

 初回に中前打を放つと三回にも右前打。3打席全てで結果を出した。10月下旬の秋季練習で右太もも裏を痛め、今キャンプ参加は7日から。合流後の紅白戦ではコンスタントに安打を積み重ねてきた。「途中参加だけど、いいものは見せられている」。遅れを取り戻したいという強い気持ちがある。

 思うような結果が出せなかった今季を振り返りフォームを変更した。「バットを上からしっかりと下ろすだけにした。これまではトップが決まらず苦労したから」。構えたとき、胸付近に置いていた両手を左耳の辺りまで上げた。来た球をたたきつぶす。シンプルな思考が安打量産につながっている。

 今季は100試合に出場。スタメンは51試合だった。来季はもちろん、レギュラー獲得が目標だ。ライバルは勝負強さと長打力を併せ持つエルドレッドや新井だが、負けるつもりは毛頭ない。緒方監督も「1打席だけで終わるのはもったいない選手。4打席、打つのはど真ん中(中軸)で期待する選手の1人だよ」と熱い口調で話した。

 今秋、野手陣は最大2万スイングを目標に連日、バットを振り込んできた。故障のため2軍スタートとなったがスイング量は決して減っていない。「最初から日南にいたメンバーに負けないくらい振ってきた。いい感じでバットが振れている」。確かな手応えをつかんだ松山が、分厚い壁を打ち破りスタメンに名を連ねる。

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