大商大・岡田一本釣り!目標は黒田さん

 「プロ野球ドラフト会議」(22日、グランドプリンスホテル新高輪)

 広島はドラフト1位で大商大・岡田明丈投手(22)を単独指名。最速153キロを誇る快速右腕は黒田博樹投手(40)を目標に掲げ、1年目での2桁勝利を誓った。

 無数のフラッシュを浴びた。テレビカメラ7台、50人を超える報道陣が詰め掛けた会見場。極度の緊張で固まった表情は、1位指名確定後も崩れなかった。だが、1年目からの先発ローテ定着と2桁勝利を力強く掲げた。

 「いまはホッとしています。指名されたので」。一言ずつ必死に言葉を紡いだ。「行ったことはない」と恥ずかしながら、思いを馳(は)せた主戦場となる広島。目標は黒田博樹。日米通算193勝右腕だった。

 「男気を感じます。日本でもメジャーでも勝てる投手。投げ終えて吠(ほ)えたり、激しくガッツポーズしたりされている。自分も投げていて、まわりに伝わるものがあれば」

 直球を軸に、落差の大きいフォーク、スライダーを武器とする。3年秋のリーグ戦から、先発陣の一角に定着した。ひと冬越えてプロを意識。4年春、秋ともにリーグ戦で6勝無敗。2季連続で最優秀投手に輝き、プロの評価が急上昇した。

 大商大高では背番号10。大学で急成長した姿は、男気右腕の軌跡と重なる。好きな言葉は「覇気」。「自分は表情を出す方じゃないけど試したい」と早くもカープ魂を胸に宿した。現在、黒田は来季去就を明らかにしていないが、岡田は現役続行を熱望。「技術を学びたいです。一緒にできたらうれしい」と続けた。

 即戦力右腕として緒方監督はローテ入りを厳命。岡田も「1年目から先発として、2桁勝利を目指したい」と呼応した。「自信がある」と言う直球の最速は153キロ。「課題は山積みだけど、まだまだ伸びると思う。上を目指して160キロ以上を投げたい」と大台突破、日本人投手の最速挑戦を掲げた。

 「いつか日本を代表する投手になって、日本代表に入りたいです」。小さな声の裏に、大きな野望を秘める。会見用に、何度も赤い帽子をかぶり直すと、ようやくほほが緩んだ。「優勝に貢献したいです」。大志を抱いてプロの門をたたく。

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