プロ野球目指すなら右投げ右打ち?

 大学、社会人の各チームが年明けから練習を開始し、高校は24日にセンバツの出場校が発表された。練習始めには、各球団のスカウトが集結する姿も。早大・有原や済美・安楽を筆頭に、14年のドラフト戦線にも逸材がそろう。各選手、球団の動向を楽しみにしているファンの方も多いだろう。

 ところで、次に挙げる数字は何かお分かりだろうか。

 03年 9:9

 04年 11:8

 12年 19:11

 13年 13:9

 正解は、ドラフトで指名された右投げ内外野手の右打ち、左打ちの内訳(12、13年は育成枠含む)だ。03年は右投げ右打ちも右投げ左打ち(右投げ両打ち含む)も9人ずつ。04年は右投げ右打ちが11人、右投げ左打ちが8人、12年は19人と11人と、右投げ右打ち野手の需要が年々高くなっている。ちなみに育成枠を除いた場合は、

 12年 17:9

 13年 11:6

と、その差は倍近くになる。なお、右投げ左打ちに両打ちの選手も含めたのは、右投手との対戦の方が多く想定されるため。また、捕手はポジションの特殊性からか、6:1や7:1といった割合で、大きな変化はない。

 90年代半ばから、松井秀喜、イチローの両スーパースターが球界を引っ張った。2人とも右投げ左打ち。野球少年のあこがれでもあり、まねて左打ちを始めた選手も多かったと聞く。その影響がすべてではないだろうが、右投げ左打ちは、球界のトレンドだった。

 だが、潮流は変わったようだ。昨年やその前から、球団関係者やスカウトからよく聞いていた言葉がある。「ウチは今、右投げ左打ちばっかりだからね」、「この子は、右で大きいのが打てるから」というもの。右投げ左打ちが“供給過多”となり、右の長距離打者は相対的に評価がより高くなったという実態があるのは間違いない。

 アマ側も、その流れに気づいている指導者や親はいる。横浜高の4番で今秋ドラフト候補の高浜祐仁内野手(2年)は、野球を始めた小1の頃は兄・卓也(ロッテ内野手)と同じ右投げ左打ちだった。しかし、父・晋一さんが「左打者が多いし、これからは左投手も増える。右打者が有利になる」と、小3で右打ちにチェンジ。高校球界屈指の大砲としてプロから注目を浴びる現状を見ると、先見の明があった。

 また、同じ左打者でも、左投げの方がプロに好まれる側面もある。ある球団のスカウトは「左利きだと、右翼方向に引っ張ることができる。右利きは、プロの速い球だと引っ張れないことがあるから」と説明。「左利きの左打者の方が、評価は少し高くなるかな」と明かした。

 昨年のドラフトでは日本ハム1位の渡辺諒内野手(東海大甲府)を始め、3位までに指名された右投げ右打ちの内外野手は7人。一方、右投げ左打ちでは広島3位の田中広輔内野手(JR東日本)だけだった。今年も、上位指名が予想される野手は、前述の高浜や中村奨吾内野手(早大)、江越大賀外野手(駒大)と、右投げ右打ちが多い。

 もちろん、これは現在のトレンドに過ぎない。そして、一昨年の日本ハム・大谷のような目玉候補には、正直、右でも左でも指名への影響はないだろう。需要と供給のバランスで、今度はまた、右投げ左打ちの人気が高まる時代も来るかもしれない。そんな視点から気になる選手や球団を追いかけてみるのも、ドラフトの一つの楽しみ方になる。

(デイリースポーツ・藤田昌央)

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