マエケン1人で勝った!15勝&V弾

 「広島2-1中日」(2日、マツダスタジアム)

 前田が投げて、前田が打った!!広島・前田健太投手(27)が、7回を投げて6安打1失点と好投。打っては7年ぶりのプロ2号先制2ランで、チームを5連勝に導いた。3位阪神に0・5差と大接近。リーグ単独トップの15勝で5年ぶりの最多勝をほぼ手中に収めた。さあ、残り3試合。エースの熱投で勢いを加速させ、一気に逆転CS出場を決める。

 ほえた。笑った。輝いた。打球の到達地点を確認すると、「届け」-の願いは歓喜に変わる。負けられぬ戦いで手にした先制点。打ったのは前田、抑えたのも前田。エースが投打で魅せた。決勝弾&15勝。逆転CSへチームの夢をつないだ。

 「チェンジアップしか待っていなかった。必ず決め球が来ると思って、絞っていました」

 ハイライトは三回。先頭の安部が中前打で出塁。石原が犠打で1死二塁とした。見逃し、空振り、ファウルで4球目、高めに浮いた若松の決め球。投手心理で読み抜いた打球は放物線を描き、左翼スタンドに到達した。値千金の先制2ランだ。

 プロ初本塁打は入団2年目の08年。市民球場最終戦となった9月28日のヤクルト戦で、川島亮から放っていた。7年ぶりのプロ2号。前回登板の26日・阪神戦でも前田の二塁打から逆転勝利。PL学園の4番で、高校通算27本塁打の男は「本当はもっと打ちたいけどなかなか難しい」と笑った。

 マウンドでは本調子ではなく大声援を力に変えた。1点リードの七回2死二塁。大島を敬遠して、2安打の亀沢との勝負を選んだ。「ゼロで切り抜けるための選択。抑える確率が高いかを考えた」。走者を増やすことで、一打逆転の可能性もある。勝利を信じた攻めの投球。投球前には自然発生的に拍手とメガホンの大合唱。宝刀スライダーで中飛に抑え、雄たけびを上げた。

 「ピンチで声援をくれた。本当に力になりました」。プロ野球169人目の通算1500投球回にも到達した。08年4月5日・横浜戦の初登板から、積み重ねた努力の結晶が節目の数字に変わった。15勝で再びリーグ単独トップ。5年ぶり2度目となる最多勝のタイトルをほぼ手中に収めた。

 3位阪神に0・5差と大接近。状況次第では中4日で、7日・中日戦に登板する可能性も残す。「厳しい状況に変わりはないけど、勝てると信じて。奇跡は信じないと起きない」。お立ち台から超満員のスタンドに誓った。前田から始まった5連勝で残り3試合。エースが切り開いた道は、奇跡へと続いていく。

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