広島3連勝!虎の尻尾見えた5・5差

 「広島4-2阪神」(26日、マツダ)

 天敵撃破で逆転Vに夢つないだ-。緒方鯉が今季1勝4敗と苦戦していた阪神・能見を攻略して3連勝。広島・石原慶幸捕手(35)が三回、左越えに先制2号ソロ。四、五回にも田中広輔内野手(26)、鈴木誠也内野手(21)の適時打で能見をKO。首位阪神に5・5差。直接対決残り10試合で虎を狩り続ける。

 真っ赤に染まった本拠地のグラウンドにカープナインの笑顔の花が咲いた。逆転優勝を目指す上で続く、負けられない戦い。天敵・能見をKOしてつかみ取った1勝に喜びは最高潮だ。

 口火を切ったのは石原だ。0-0の三回1死から、内角高めに浮いた131キロのチェンジアップを振り抜いた。「感触?あまりホームランを打たないからわからないよ」とおどけてみせたが、失投を完ぺきに捉えた一振り。6月12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来となる2号ソロで先制点を奪った。

 今季、緒方鯉は能見にはめっぽう弱かった。この試合まで5試合で1勝4敗。奪った得点はわずか8点しかない。左腕の9勝のうち実に4勝は広島戦だ。

 だが、石原の一撃で潮目が変わった。1-0の四回に先頭・新井の四球から好機を広げ1死一、三塁とすると、田中の中前適時打で追加点をゲット。五回にも「浮いてきた球を積極的に打つことができた」と鈴木誠が3点目となる左前適時打を放ち、能見をKOした。

 夏休み最後の本拠地2連戦は、赤と紺を配色した特別ユニホームを着用。今季のキャッチフレーズ「常昇魂」をモチーフに、頂点へ上り詰めることをイメージしてストライプがあしらわれている。2連戦の初戦を白星で飾り、石原は「このユニホームだけじゃなく、ずっとずっと勝ち続けていく」と力を込めた。

 首位・阪神とは5・5ゲーム差。夢をつなぐには勝ち続けるしかない。阪神とは10試合を残す。逆転Vの可能性は十分に残されている。緒方監督は「(能見を)引きずり下ろす形になったね」と奮起した打線に目を細めた。苦手意識を振り払ったこの日の白星は、今後の戦いに向けて価値ある一戦となったに違いない。

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