梵G倒2ランで連敗脱出!燕戦も頼んだ

 「広島5-0巨人」(26日、マツダ)

 頼れる選手会長じゃ!!広島・梵英心内野手(34)が六回、左翼席へ決勝の5号2ランを放ち、チームを連敗脱出へ導いた。ベテランの値千金の一発で、カード3連敗を免れた緒方鯉。28日からは4ゲーム差で追う、首位・ヤクルトとの3連戦(神宮)。この勢いでツバメもたたき落とす。

 得点が刻めないもどかしさに、汗が止まらぬ蒸し暑さ。そんな鯉党のモヤモヤを吹き飛ばした。値千金の先制弾が決勝点になった。沸き返る歓声の中心には梵がいた。涼しい顔で、淡々とダイヤモンドを一周した。

 「後ろにつなごうとして、最高の結果になって良かったです。でもまだ試合は3イニングある。ほっとするのは、一瞬だけでした」

 0-0の六回。2死から四球を選んだシアーホルツに続いた。田口の直球を捉えた打球は、左翼スタンド最前列に飛び込んだ。連敗中と同じような好投の先発を援護できない展開で、選手会長がチームを救った。

 巨人戦3連敗を免れた緒方監督は「2死から四球を取った後に梵が2ラン。相手にはダメージがあっただろう」と、ベテランをたたえた。

 この一撃で目覚めた打線は終盤にも追加点を挙げ、15試合ぶりの2桁安打をマーク。梵は「開幕からいいイメージはあったが、なかなかうまくいっていなかった」と苦しんできた。だが、この一撃をチームだけでなく、自身の復調への契機にするつもりだ。

 菊池、丸ら若手がチームの中心を担うカープ。選手会長として「今の雰囲気なら、きっと勢いは出てくる。若い選手が明るくて、僕が入団した時にはなかった。サポートしていければと思う」と、チームを思いやった。

 本拠地の試合では、誰よりも早く球場入りする。早出練習は欠かさない。両膝に古傷を抱えても「膝のことは関係ない。ダメになったらあきらめればいいだけ」と、覚悟を決めている。

 まれに見る混戦となったペナントレース。梵は「まだまだひっくり返すチャンスはある。僕は1日、1日を必死で戦っていく」と誓った。低迷期を支えてきた男は、苦境でこそ輝く強さを持っている。

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